子供のころからそれほど将棋が好きでも強くもなかった筆者だが、ミーハーなゆえ、将棋と同じルーツであるインドの”チャトランガ”から生まれ、昔の日本人の多くが”西洋将棋”と呼んでいたちょっと見かけオシャレなチェスにはいたく興味があった。
いまでこそ将棋の駒の奥ゆかしい雰囲気は多少理解できるようになったが、子供のころには、チェストと比べても、ただの木の板を小さく切っただけのようなちゃちな雰囲気が、どうしても納得できなかった。
そのため、きわめて装飾過剰のチェスの駒は、まったく動かし方すら知らなくても憧れのゲームだった。そんなミーハー状態で40年以上昔、ハワイに旅行に行った時に、地元ホノルルのホビー系のブティックで大理石のチェスを見つけて重いのを覚悟で衝動買いして日本まで持ち帰った。
その後、何度か遊んではみたが、必ず対戦相手の必要なゲームゆえ、いつのころかどっかにしまって日の目を見ることもあまりなかった。その後も、目新しさや流行に流されて、9マス将棋等を衝動買いしたことはあったが、いずれも長続きしなかった。
基本、やはりボードゲーム系は対戦相手が絶対に必要なことが、長続きできない最大の理由だろう。そんな時に、たった一人でもスマホとインターネットを介して世界中の人やAIコンピューターと対局できる「Square Off」の存在を知った。
コンピューターやスマートフォン、タブレットの液晶画面で対局するだけの将棋やチェスなら昔からいくらでもあったが、Square Offは本物のチェスボードと駒を使ってリアルな雰囲気で楽しめる画期的なスマートチェスだ。
もちろん、そのリアリティの実現のためには幅約60㎝、奥行き約50㎝、高さ約5㎝、重量5㎏強の大きさを確保できる住環境が前提だ。今回、筆者はいまではほとんど覚えていないチェスの駒の動き方や駒の種類の認識から再入門した素人を超えた超素人だった。
AIコンピューターと勝負している間に、きっと徐々に昔を思い出してくるだろう程度の気合で取り掛かった。Square Offの同梱品はチェスの駒2組(予備駒を含む)、ACアダプター、折り畳み式のスマホやタブレットのスタンド、クイックスタートガイドだ。
Square Offをプレイするには、BluetoothでスマホやタブレットとSquare Offと繋ぐための専用アプリである”Square Off”をダウンロード、インストールする必要がある。Square OffはAndroid用、iPhone用の両方があり、Google PlayやApp Storeからダウンロード可能だ。
アプリを導入し、アカウント登録してログインすれば、続いてSquare Off本体にACアダプターを接続、電源スイッチをオンして、あとはアプリのSquare OffとSquare Off本体をBluetoothで接続するだけだ。
接続はスマホの一般的な設定画面でするのではなく、スマホ側でBluetoothさえ起動していれば、アプリ内で”Connect to board”をタップすることで、周囲にあるSquare Offを探して自動接続してくれる。筆者はHUAWEI Mate 20 ProとファーウェイのMediaPadの両方を接続可能にしているが、接続したい方のBluetoothだけをオンしておけばいずれも問題なく接続できている。
さて無事に接続処理が終われば、アプリの中の”Square Offとの対局”、”フレンドとの対局”、”対局ストリーミングを観る”の3つのメニューからお好みの一つを選択してみよう。

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