アスキー編集部、在宅ワークはじめました 第14回
今の仕事にどれくらい時間かかっているか把握してみよう
在宅ワークの勘所「時間管理」のためにTogglを活用してみた
2020年05月12日 13時00分更新
どうもどうも。「アスキー編集部、在宅ワークはじめました」のコラム連載で初回を書かせてもらったオオタニです。連載初回の記事は、家事と自己管理が大変すぎて、仕事が進まないぜという愚痴っぽい内容だったが、今回はToggl(トグル)という時間管理ツールを試してみたという話になる。
フル在宅ワークから約1ヶ月、変わったのは時間管理
3月末からのフルタイムの在宅勤務はあいも変わらず続いており、なんだかんだ1ヵ月経ってしまった。結局4月は市ヶ谷のオフィスに行くどころか、電車すら乗っていないので、完全に地元に引きこもっている状態。かみさんは在宅勤務の日が増えたが、小中学生の子供たちは学校が始まらないので一日中家にいる。
ゴールデンウィーク明けも状況はあまり変わらない。最近はテイクアウト頻度が増えたものの、食事や洗濯、掃除、あまたの名もなき家事は相も変わらず継続中だ。自己管理も大変で、「移動時間がなくなったから」という理由を設けて、ついついうたた寝したり、子供といっしょにゲームに手を出したりしている。これではいかん。
そもそもどれくらい仕事を、どのような配分で行なうのかという業務管理は、在宅勤務とは関係なく、働く者にとって必須のスキル。そこで、4月に入ってからタイムトラッキングサービスの「Toggl(トグル)」でそもそもどれくらい仕事に時間をかけているのか把握することにした。
同僚の大塚から薦められたTogglは、仕事やプロジェクトの時間を計測するためのサービス。Togglのサイトでアカウントを作成すると、Webブラウザ等にタイマーのボタンがプラグインされるので、仕事の開始から終了までを計ればよい。それどころかWebアプリであれば、Gmailにも、Trelloにも、Togglのタイマーアイコンが現れる。だから、仕事始めにポチ、終わったらポチを繰り返すのだ。PCでも利用できるが、スマホ版も用意されている。
使い方がシンプルで、誰でも簡単に使えるのがTogglのよいところ。「1日どれくらい働いているのか」という労務管理的な目的であれば、Togglで容易に目的は達成できるはず。業務時間が可視化されると、働き過ぎも、働かな過ぎも、抑制が効くので、在宅勤務での自己管理にはきわめて有効だ。
時間管理を効率化するには「プロジェクト」の使い方が鍵
しかし、Toggleは単に時間を計るだけではなく、時間をどのように使っているかを管理するための「プロジェクト」をユーザーが任意に作成できる。記録した時間に作成したプロジェクトを割り当てれば、それぞれにどれくらいの時間を費やしたかがわかる。時間と売上から換算できる生産性の向上を指標化することが可能になるわけだ。
Togglの使い方のキモになるのは、まさにこの「プロジェクト」の作り方だ。プロジェクトをどのように作るかは、なにを測りたいか、なんのために時間管理を行なうのかに直結する。そして、目的を作るためには、業務の内容や流れを把握しなければならない。自分にとってはこの作業がかなり有益だった。
記者・編集者である私の場合、当初は「執筆」「編集」「雑務」「打ち合わせ」「移動」みたいな感じで、業務の種類にあわせてプロジェクトを作った。しかし、プロジェクトごとに集計していても、単に業務時間の割合がわかるだけで、あまりメリットが多いことがないことに気がついた。要は「思いのほか、執筆に時間がかかってるな」とか、「雑務の割合が高くて、本業に集中できてないな」とかがわかるだけで、「じゃあ、どうする?」にならないのである。
とはいえ、業務時間はある程度把握できたので、今度は名前の通りプロジェクトも追加した。
私の仕事においては、自主的に取材したり、ニュースを探して書くこととは別に、スポンサー企業の依頼に沿ったタイアップ記事の制作も重要なので、これらクライアントをプロジェクトとしてカテゴリ化することにした。要は「どのお客さまに、どれくらい時間を割いているか」を見る方法なので、受託系やプロジェクト単位での仕事であれば、こちらの方が普通の考え方であろう。
プロジェクトの名前もちょっと考え直した。たとえば「雑務」は「管理」に変更した。メール返信も、伝票書きも、れっきとした仕事ではあるので、「雑務」ってないよなとも思う。こんな感じで今の仕事を振り返るという点でも、こうしたツールの導入は効果が大きいのである。なお、Togglはベーシックプランを無償で利用できるが、より本格的なレポートや生産性・コスト管理、チーム活用が必要あれば、有償版を導入してみよう。
現在もTogglの使い方は模索中。とりあえずは続けてみて、工数ごとに割り当てる時間の目安を割り出したり、似たようなタスクをより効率的にこなせるようになるなど、生産性の向上がきちんと見えるとよいなと思う。今後も時間管理のスキル自体が重要になるはずなので、みなさんも在宅勤務を機にチャレンジしてもらいたい。
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