うっとりとろける秘密は、猫の舌を再現したというザラザラとした細かなやすり面だそう。猫の舌の表面はザラザラとしたやすりのような構造になっていて、毛をからめとるブラシ(毛づくろい)の役割があります。毛づくろいは猫にとってリラックス効果があるほか、猫同士のコミュニケーションを生むものでもあります。
やすり面を見てみると、本体に対して横方向にギザギザと深い溝があるわけですが、よく見ると縦方向にも浅い溝が掘られています。これが猫の舌を再現しているわけですね。溝がゆるやかにカーブしているのもポイントでしょうか。
試しにやすり面で手を撫でてみると、確かに猫に舐められた時のような、痛痒い感触です。
ねこじゃすりの効果は如何ほどか
それではいよいよブラッシングの時間です。お気に入りのクッションにやってきた彼女にねこじゃすりを差し出してみます。
はじめはおもちゃだと思ったのか噛みついたりもしましたが、怖がらずに受け入れてくれました。しかし、暫くブラッシングしていても複雑な表情をするばかりで、一向にとろける気配がありません。遂には不機嫌そうにクッションから去ってしまいました。
当たり前ですが、猫は生き物です。いくらSNS上で多くの猫がとろけていたとしても、すべての猫が同じ反応を示すわけではありません。公式ウェブサイトにも、「生き物なので、当然個性があります。すぐに懐く猫もいれば、数年懐かない猫もいます。時間をかけてゆっくり愛用してみてください」と記載されています。
この子には合わなかっただろうか……そんな不安を抱えつつも、少しずつ慣れさせていこうと、数日かけてブラッシングを続けました。
そんなある日、彼女にちょっとした変化が。相も変わらずおもちゃを咥えて寄ってきた彼女にねこじゃすりでブラッシングをしてやると、いつもとは違う、なにやら落ち着いた表情を見せてきました。そのまま撫で続けていると、なんとクッションに丸まってゴロゴロと喉を鳴らしてきたではありませんか。
どうやら撫で方を変えたのが良かったらしく、今までは毛並みに沿うようにブラシを縦方向に動かしていましたが、横や斜め方向など、自在にわしゃわしゃと撫でてやるのが気持ち良いそうで、クッションの上で伸びをするほどリラックスした様子を見せてくれるようになりました。
気持ち良いかどうかは猫次第
そんなわけで、ねこじゃすりは我が家の必需品になっています。こはくが騒がしいのは変わりありませんが、ねこじゃすりを使うとしばらくはおとなしくなるので、一日に数回、妻とふたりで交代しながら撫でつけてあげています。ちなみに、先輩猫のまろもねこじゃすりの虜です。
ねこじゃすりは毛すきに使うスリッカーブラシなどと異なる、撫でることに特化した、まさにコミュニケーションブラシといえるでしょう。猫同士がグルーミングし合うのに参加するような感覚でしょうか。
私と同じように猫飼いで在宅ワークをしている人や、猫の飼い主さんへのプレゼントとして是非オススメしたいアイテムです。
もちろん、先述のとおりすべての猫に効くわけではありません。我が家のように時間をかければ慣れてくれる場合もあるでしょうが、どうしても合わない子もいるでしょう。そういう場合は無理をせず、いつも通りのブラッシングをしてあげるのが一番です。猫だって生き物なんですから。