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Fractal Designの「Define R7」採用、Ryzen 9 3900X&RTX 2070 SUPERで快適ゲームプレイ

PCケースはLEDなしで機能に全フリ! 静音で拡張&メンテナンス性にも優れたRyzen 9搭載ハイスペックゲーミングPC「ZEFT R9FD」

2020年04月14日 14時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

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「ZEFT R9FD」

 派手さはないものの、シックでスタイリッシュなデザインが好評を博しているFractal DesignのPCケースであるDefineシリーズ。パソコンショップSEVENを運営するセブンアールジャパンは、その最新モデルであるDefine R7を採用するばかりか、Fractal Designとのコラボレーションまで実施したゲーミング向けPC「ZEFT R9FD」を発売した。このZEFT R9FDは、ゲーミングパソコンながらLEDがまったく光らないことが1つのウリになっているが、果たしてどのようなマシンなのだろうか。今回はは外観や仕様についてチェックしていきたい。

LEDはなく落ち着いたシックな印象
通気性が向上する換装用の天板が付属

Fractal DesignのPCケース「Define R7」を採用

 まずは、ZEFT R9FDのスペックを紹介していこう。ZEFT R9FDでは、CPUにAMDの12コア/24スレッドタイプの「Ryzen 9 3900X」を採用し、その冷却にはケースと同じFractal Designの簡易水冷クーラー「Celsius S36」を搭載。360mmサイズのラジエーターを備え、冷却性能と静音性の両立を実現している。また、ビデオカードには「GeForce RTX 2070 SUPER」を搭載したMSIの「GeForce RTX 2070 SUPER VENTUS OC」が使用され、ゲームにおいてもかなり高いパフォーマンスが期待できる。なお、LEDが光らないというコンセプトどおり、このカードもLEDを1つも備えていない。

 さて、ストレージに目を移すと、NVMe接続でM.2タイプのSSD、CFD販売の「PG3VNF」を搭載。容量は500GBで、PCI-E 4.0をサポートしている点が大きな特徴。PCI-E 4.0の1レーンあたりの転送レートは16Gbpsと、従来のPCI-E 3.0の8Gbpsから倍増しており、より高速なデータ転送が可能となっている、つまり、ZEFT R9FDでは、CPUにRyzen 9 3900Xを使用するメリットが、ストレージでも発揮されるというわけだ。さらに、2TBのHDDも搭載しているので、容量が足りないという状になることはまずないはずだ。

CPU-Z(Version 1.91.0)の実行結果

NVIDIAコントロールパネルからシステム情報を確認したところ

 システムメモリーは、DDR4-3200対応が32MBと大容量を誇る。インテル製のWi-Fi 6対応無線LAN機能も搭載し、かなり高スペックなマシンだといえる。これらのデバイスを支える屋台骨となる電源ユニットには、こちらもFractal Design製の「ION+ Platinum 860P」を採用。80PLUS Platinum認証を受けた定格出力860Wのもので、アイドル時にファンの回転を停止する「Zero RPMモード」を備えている。ZEFT R9FDの出荷時設定は、同モードが無効で常時ファンが回転するようになっているが、電源ユニットに用意されたロッカースイッチを切り変えることで、アイドル時にファンを停止させ、静音性を高めることが可能だ。

 そして先述したとおり、ZEFT R9FDはPCケースにFractal DesignのDefine R7を採用。外観は黒一色で、アルミニウムのヘアライン加工により金属感も醸し出されている。シンプルだがスタイリッシュな印象を受けるデザインだ。前面パネルは開閉式で、開けると5インチベイや吸気孔が姿を表すが、前面パネル側は一面に吸音材が装着されており、静音性の向上に一役買っている。ユニークなのは、吸気孔の防塵フィルターをドライバーを使用せずに取り合ずせる点だ。内部にはラジエーターの120mm角ファンが3基並んでいるが、先ほどの防塵フィルターを含めてメンテナンス性のよさは申し分ない。

フロントパネルを開けたところ。裏面には吸音材は貼付されている

吸気孔の防塵フィルターは簡単に外すことが可能。メンテナンス性は抜群だ

底面にも防塵フィルタが用意されており、簡単に引き抜き、掃除が可能だ

ヘアライン加工が印象的なフロントパネル

背面の様子。マザーボード側にDisplay PortとHDMIが用意されているが、ビデオカード側を利用するため使用できない

フロントパネルを開けた様子を正面から見たところ

防塵フィルタを取り外すと、ラジエーターの3基のファンに簡単にアクセスできる

 天板も一面黒色のデザインだが、手前側には各種インターフェースが並んでいる。インタフェースは、ヘッドフォン出力とマイク入力、それにUSB 3.1(Type-C)、USB 3.0×2、USB×2.0×2が用意されており、USB端子のそれぞれに対応規格が記載されている点は、非常にありがたい。

天板の各種インターフェース。USBの対応規格を赤色や青色など端子の色で区別するPCケースが多い中、このDefine R7では端子の色は黒で統一しており、デザインへのこだわりがうかがえる

 また、オプションとして換装用の天板が付属している。こちらの天板には多くのスリットが用意されており、換装すれば通気性が向上する。初期状態のスリットのない天板の裏側には、前面パネルと同様に吸音材が装着されており、ユーザーの好みに合わせて使い分けられる。

天板を外した様子。天板側にも防塵フィルターが装着されている

防塵フィルターは簡単に取り外しが可能で、メンテナンスは非常に簡単だ

付属する換装用の天板。スリットが用意され、通気性がかなり向上する

天板はドライバーを使用せずに簡単に換装することができる

最初から装着されているスリットのない天板には、裏側には吸音材が貼付されており、静音性が高めだ

 左側のサイドパネルは、強化ガラスを用いた内部が見えるタイプだ。このサイドパネルは右側も含めて、背面に用意された取っ手を手前側に倒すだけで外すことでき、当然のことながら開け閉めにドライバーを必要としない。なお、内部は360mmサイズのラジエーターを搭載しながらも、かなりスッキリした印象。とくに、カード後方からラジエーターまでの空間が広く確保されており、メンテナンスやアップグレードの作業はかなりしやすいといえる。なお、電源ユニットは底部のダクトに配置し、覆われる構造とすることで、エアフローを分けている点は好感が持てる。

内部の様子。ZEFT R9FDは、かなりハイエンドな構成だが、内部はかなりスッキリした構成だ

価格は30万7780円
スペックや機能性を考えると十分お買い得

 かなり高スペックなZEFT R9FDだが、価格は30万7780円から(4月13日現在)。ゲーミング向けパソコンというと、LEDが煌びやかに点灯するイメージを持つと思うが、実際に利用するうえで、それらを億劫に感じていた人も多いのではないだろうか。

 Fractal DesignのDefine R7は、機能性とデザイン性の両立を果たしたPCケースであり、それを採用したZEFT R9FDは、かなり洗練された印象を受けた。また、フロントパネルた天板なのの裏側に吸音材が貼付されている点に魅力を感じた人もいることだろう。30万7780円という価格は決して安価ではないものの、スペックや機能性を考慮するのであれば、十分お買い得といえるのではないだろうか。

ZEFT R9FDの主なスペック
CPU Ryzen 9 3900X(定格クロック3.8GHz、最大クロック4.6Hz、12コア/24スレッド、キャッシュ容量64MB)
グラフィックス MSI GeForce RTX 2070 SUPER VENTUS OC(2スロット使用)
メモリー 32GB PC4-25600(DDR4 SDRAM、16GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用
ストレージ 500GB SSD(CFD「PG3VNF」、NVMe PCI-E Gen.4)、2TB HDD(Serial ATA 6Gbps)
採用ケース Fractal Design Define R7
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36
マザーボード ASRock X570 Phantom Gaming 4
電源ユニット Fractal Design ION+ Platinum 860P(定格出力860W、80PLUS Platinum認証)
内蔵ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0
OS Windows 10 Pro(64bit)

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