NTTドコモは、5G契約のSIMにおける同社4G端末での動作可否と制限事項一覧を公表している(https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/area/5g/device_information.pdf)。
ドコモが動作保証するのは
5G契約のSIMと5Gスマホの組み合わせのみ
まず前提として、ドコモは5G契約SIMの4G端末での動作について、正式には「動作保証対象外」としている。つまり、今回の動作可否の表については、あくまで参考情報として提供しているに過ぎず、「本資料に記載していないような機能制限があった場合でも、サポートできかねますことをご了承ください」との注意書きもある。
また逆に、ドコモの5G端末に4G契約のSIMを差し込んだ場合についても同じく「動作保証対象外」。サイト上にも「5Gでの契約には5G端末が必要」で「4G契約のまま5G端末の購入はできない」とあり、5G端末と5G契約のSIMの組み合わせが正しい使い方なのだ。では“動作保証対象外”での実際の動作はどうなのだろうか。
今回編集部で入手したドコモ5G契約のSIMは、5Gスマホ「AQUOS R5G SH-51A」への機種変更時に新たに交付された、最新バージョン(Ver.6)である水色のものだ(https://www.nttdocomo.co.jp/support/uimcard/)。
このSIMをiPhone 11やPixel 3、セルラー版iPad(第7世代)などに挿入。これらはいずれも上記リストの「利用可能」に入っている端末。無事に動作し、VoLTEでの通話も可能だった。では「利用不可」になっている端末ではどうか。具体的にはiPhone XやXperia X Compact SO-02Jなどで試したが、これが実は動いてしまい、データ通信も通話も可。もちろん「利用不可」に入っている理由はあるはずで、短時間のテストでは問題が判明していないだけの可能性は高く、5G契約のSIMでの利用を勧められるものではないことを念押ししておきたい。
一方で、この状況を推測できる1つの要素として、ドコモのAQUOS R5GやGalxy S20の製品紹介ページに記された注意書きがある。
5月下旬以降に5G契約のSIMで3G通信が不可能になると、VoLTE非対応機を始め、今は一見は問題がないようでも、それ以降に利用できなくなる端末が(SIMフリー機含めて)増加することは想像できる。後日あらためてテストをしてみる必要がありそうだ。
ドコモの5Gスマホ、AQUOS R5G SH-51Aは
保証対象外も4キャリアの4GのSIMで動作した!?
続いて、5Gスマホに4G契約のSIMを挿す。編集部で購入した5Gスマホは、前述のように「AQUOS R5G SH-51A」。ドコモの資料を見ると、周波数的にはau/ソフトバンクのプラチナバンドを含めて、かなり幅広く対応しているのがわかる。
一括払いで購入したので、早速SIMロックを解除して、3キャリアの4GのSIMで利用したが、データ通信/VoLTEによる音声通話ともに可能。さらに楽天自社回線のSIMでも、ともにOK。キャリアアグリゲーションなど、ドコモ以外のネットワークには最適化されていない可能性はあるが、汎用性が高い端末とは言えそうだ。
繰り返しになるが、ドコモが動作保証対象とするのは5G端末と5G契約のSIMの組み合わせのみ。ごく短時間での動作だけではわからない制限事項の存在は考えられるので、あくまで記事執筆時点での参考情報として扱ってほしい。
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