前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第112回

テレワークで動画4K化の“沼”にハマる……

YouTubeの設定はドラクエなのか!?

　……と、ところが、アップロードが完了してもステータスが「0％処理済み」のまま。この「処理」とは、ユーザーがさまざまな画質でも観られるように、サーバー内部で4K画質からSD画質に変換するプロセスです。

　しばらく待っても「0％」のままなので、ネット上のアドバイスを見て再度アップロード！ その最中に投稿動画にスウェーデンの人から「Amazing」とコメント。もう処理終了かぁ。そして、やっぱりYouTubeはインターナショナル！

　ちなみに、筆者がYouTubeに動画をアップロードしたのは9年前と7年前、最後は4年前……。おそらく、YouTubeの中の人や登録ユーザーの皆さまには、アカウントが死んでいると思われていたことでしょう。

　ところが、テストで自分の最新4K動画を再生してみると……ガ〜ン！ 360p（低々画質）しか選べません。せっかく4K画質でアップしたのに……。

　これもYouTubeの仕様のようで、4Kに再変換されるまでには数時間かかるとのこと。コメントをくれたスウェーデンの人、低々画質で再生させて恐縮です。ホントは4Kなんだけどなぁ（この原稿の執筆時には1080pまでは変換済み）。

　さらに、ドラクエで勇者に与えられる使命のように、苦難は続きます……（笑）。

Googleアカウントから警告が

　ご存知のように、YouTubeのアカウントは、Googleのアカウントにも紐付けられております。そこから「重大な……」とアラートが発生！ そりゃ、4年もアカウントを放置してたら警告もされるはず。

　しかし、アップロードしたコンテンツが「アダルト」とか「虐待」とか「政党関連」とかに抵触していると判断されたとしたら、少々やっかいです。そう誤解されないように、表現には十分に気をつけたつもりですが……。

　数ページのリンクをたどっていくと、YouTubeのアカウント保護の警告のようです。とりあえず、iPadにアプリをダウンロードして、2段階認証をオン。iPhoneでセキュリティコードを受信して……って、一体何をやっているんだか。

　最近、一般的に「テレワーク」という言葉が着目され、知られはじめた感があります。筆者も、時間や場所によらず仕事をしている点では、テレワークの活用者といえるでしょう。

　ただ、良いこともあれば悪いこともあります。移動の時間にとらわれないことで、時間の余裕ができる反面、環境の違いに苦労したり、時間があることでつい深掘りや新規の作業などをしてしまったりと、無駄な労力を使いがち……。今回の動画4K化の“沼”も、その例かも。

　このYouTubeへの動画投稿中に、「4K動画配信を新たなテレワークに」と、ふと考えました。しかし、こんな調子だと、収益化は夢のまた夢、かもしれません……。

　最後に。見るだけなら楽しそうなYouTubeや4K動画、マジックも、その裏側では、かなり手のかかることをしたり試行錯誤をしたりしています。その一部を、今回の4K動画でご覧いただければ幸いです。

「マジックの道具を作る」がメインの4K動画。最後にちょっとだけマジックも……

前田知洋（まえだ ともひろ）

　東京電機大学卒。卒業論文は人工知能（エキスパートシステム）。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH（モエ ヘネシー・ルイヴィトン）グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

　著書に『知的な距離感』（かんき出版）、『人を動かす秘密のことば』（日本実業出版社）、『芸術を創る脳』（共著、東京大学出版会）、『新入社員に贈る一冊』（共著、日本経団連出版）ほかがある。

■関連サイト

• 前田知洋 公式サイト