――新プロジェクトの「デュエル・オブ・ガルガンチュア」もVIVEには対応するのでしょうか?
新氏:はい、対応する形になると思います。どういった形でリリースするか、いつリリースするかについてはまだ正式には発表していないのですが、現在一般販売しているVRハードウェアについては基本的にすべて対応する予定です。
――VIVEで遊ばれているユーザーというのはどういった方が多いのでしょうか?
新氏:うちのゲームでは、動画などを配信されている方によく遊んでいただいている傾向があります。2月14日からゲーム内の特別な盾がもらえるイベントを開催しており、この盾の動画を上げてくださっている方もいるのですが、こうした方はVIVEトラッカーをつけてVR撮影しながら遊ばれている方が多いです。
日本国内でこうした撮影をしていらっしゃる方は、ほぼVIVEユーザーだと認識しており、こうしたユーザーのニーズは非常に意識しながら開発していました。
――VIVEトラッカーを使われているということは、結構ハードウェアに詳しい方が遊ばれているのでしょうか?
新氏:そうですね。非常にコアなユーザーが使っているという印象です。
――逆に、Oculus Questなどのユーザーは、あまりハードウェアに詳しくない方が多かったりするのでしょうか?
新氏:さすがにOculus Questクラスの価格帯になってくると、一体型とはいえ、それなりにリテラシーの高い方が利用されているというイメージですね。ユーザーに関しては、アメリカの市場と比較すれば、どうしても向こうの方がPCゲームユーザーが多いですし、日本のPC VRハードウェアの普及状況に差が出ているひとつの要因ではあると思っています。
ただ、一体型のVRハードウェアの登場によって、一般のユーザーにも普及し始めているというのはよく聞きますね。「ソード・オブ・ガルガンチュア」の場合では、グラフィックのクオリティーは下がるとはいえ、PCのスペックなどを考えずに、ケーブルも気にせずに遊べるのはいい、という声はあります。
――では、まだ一般販売はしていませんが、HTCが販売する一体型のVIVE Focus/Focus Plusの対応などは考えていらっしゃるのでしょうか。
新氏:正直なところ、市場次第ではありますね。性能的には移植は可能なのですが、どういったSDKが提供されて、開発時にトラブルが出るかなども見て、総合的な判断にはなると思います。移植するハードウェアが増えれば、それだけアップデート時の開発の負担なども増えますからね。
―「ソード・オブ・ガルガンチュア」のような剣で斬り合うようなゲームは、ケーブルが無い方が快適なのではないかと思うのですが、その点はいかがお考えなのでしょうか。
新氏:うちのゲームでは、PC VRで遊ばれている方も、一体型のVRハードウェアで遊んでいる方もいますが、全く同じソースコードを使っているので、グラフィック以外のゲーム体験は変わりません。対戦ゲーマーの方では「解像度」よりも「快適度」を求める方も多い印象なので、PC VRハードウェアの方がスペックは高いのですが、一体型VRハードウェアの方を好む人も多いかもしれません。
――少し話は変わりますが、HTCの最新機種「VIVE Cosmos」ではModを取り付けて機能を拡張できますが、御社で「こんな機能があったらおもしろそう」といった意見などはありますか?
新氏:ハンドトラッキングの機能がどれくらい使えるかという点が気になりますね。認識できる範囲によっては、手だけでどこまで操作できるのか可能性を検討してみたいと思っています。
――ゲーム性としていけると思えば、コントローラーなしで遊べるゲームを作るということも考えられますか?
新氏:手だけの操作を何か面白いシステムとして組み込めれば、可能性としてはありだと思います。
――今だと、Leap Motionなどのハンドトラッキングデバイスもありますが、そういったデバイスへの対応を検討することはありますか?
新氏:今のところは、VR関係の細かいデバイスなどへの対応は積極的にはやっていないですね。ユーザーの方から対応してほしいという声が上がってきたら検討するという状況です。