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被験者背部の3D画像をモアレ様画像に変換できる、側弯症検診向け医療機器

2020年02月20日 17時00分更新

文● ASCII

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 日本医療機器開発機構(JOMDD)は2月20日、スペースビジョン、日本臓器製薬と共同で、側弯症学校検診および医療機関向け医療機器として「3Dバックスキャナー」を発売すると発表した。日本臓器製薬を販売業者として、2月27日に発売予定。

 脊柱側弯症は小学校高学年から中学校時代に好発するという症状。13~14歳女児の有病率は2.5%で、脊柱の変形により腰痛や背部痛、呼吸機能障害などをきたすことがあるため、早期に発見して進行を抑えることが重要だという。

 学校保健安全法上、側弯症の検診が小・中・高等学校と高等専門学校の全学年で必要と定められているが、学校医が限られた時間の中で大人数の検査をすることは難しく、学校内での視診や触診は、学校医および児童・生徒にとって負担が大きいという課題があるとのこと。

 3Dバックスキャナーは、学校健診を実施している東京都予防医学協会からの相談を受け、慶應義塾大学医学部整形外科学教室 渡邉航太准教授、同大学理工学部 青木義満教授、慶應義塾大学・名古屋工業大学発ベンチャーであるスペースビジョンが共同開発した製品。

 2015年からは、医師のニーズに基づく医療機器の開発・事業化を支援する、日本医師会による「医師主導による医療機器開発の開発・事業化支援業務」の一環として支援も受けたとのこと。

 LED光源で被検者の背部を3D撮影し、背部の対称性を視覚的に描出するために、モアレ様画像へ変換できるという。専用PC上にある撮影ボタンを押すだけで撮影が可能で、取得した画像情報は撮影場所や個人IDと紐付けることもできる。また、3D画像として取り込まれたデータは、モアレ様画像のほか、3D情報としても確認可能。そのほか、専用のキャリーケースに収納すれば、学校健診現場で想定される持ち運びも可能とのこと。

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