目的特化型のおもしろいIoT商品は数多く世の中にあるが……
安価になったインターネット高速回線の普及と一人一台になったスマートフォンで、実現できそうな新たな市場としてIoTが注目され出して、すでに数年以上経過したがまだまだ国内でも進化と普及は遅い。
インターネットとスマホの急激な普及を折り込み済みで同時進行のネイティブなデバイスは良いとしても、すでに多くの家庭に普及済みのレガシーなコンセプトで造られてきた家電製品や歴史のある社会システム系のデバイスはおいそれと簡単にネット時代に追従対応できないのは当たり前だ。
「インターネット家電」と呼ばれる一見新しいそうなジャンルの商品も、まだまだ従来の家電品にほんの少し手を加えただけの、なんちゃって製品も多い。従来の事業部制縦割り組織の中で、付け焼刃で急いで作ったインターネット家電の中には、我が家の冷蔵庫のように、もはやレガシーな通信技術になりつつあるWi-Fi接続さえ満足にできない製品も多い。
そんな遅々として、進化の感じられなかったインターネット家電の世界も、徐々にではあるが光が見え始めてきている。新しモノ好きな筆者はネットに繋がり遠隔操作が可能なモノは、そのほとんどを衝動買いしている。しかし、そうは言ってもしばらくはレガシーな家電製品の機能を、なんちゃってネット家電に拡張支援する後付けデバイスが多いだろう。
多くの家電製品はコンセントから電気エネルギーをもらい、人がスイッチを入れたり予め設定を送り込むことで生活をより便利にするのが目的だ。人が押すために作られた壁面の電灯スイッチや珈琲メーカーのスイッチを押す「指ロボット」系商品や、遠隔からの電源オン・オフや予定プログラムによる通電を管理するスマートコンセント系がまだまだ主流を占めている。
変わったところでは、カーテンの開け閉めをするモノレールみたいな専用デバイス。観葉植物等の太陽光や水、肥料をモニターしてその過不足を教えてくれるもの、ドアの開閉などいろいろな機器と連携できる見守りカメラ。遠隔からの解錠や施錠、帰宅接近中の家主のスマホGPSと連携した自動解錠などなどが登場してきているが、残念ながらまだまだIoTマニアの域を出ておらず「便利」ではなく「できる」の世界だ。
ここ2〜3年を眺めてみると、多くのスマートライフを目標にした機器が開発販売されているが、それらにまったく問題がないわけではない。現在のスマートライフ市場では多くのメーカーやベンチャー起業、クラウドファンディング系企業が目的特化型でさまざまなおもしろいIoT商品を世に送り出している。
筆者のように目についた楽しいそうなこれらの商品を手あたりしだいに衝動買いしていると、すべてのデバイスごとにユニークなスマホ上の管理運用ソフトが必要で、スマホはこれらのIoTデバイスをコントロールするさまざまなアプリ満載の汎用リモコンのような存在となってしまう。
単発的に目的を実現できるならなんでも良いという考え方もあるが、これらのデバイス特化型アプリ乱立の世界では、デバイス間の連携操作や、目指すべき人間中心のスマートライフの観点から遠ざかってしまう危険性もある。
音声によるデバイスの始動や管理は、すでにAmazonやGoogleが先行してほぼこの2社が標準となりそうだが、従来からあるレガシーなデバイスとの連携を必要とされるスマート家電の開発に関してはいまだ標準となる企業が存在しない状況だ。
しかしそんな中で最も先行しているひとつが、IoT家電製品の開発を行おうとしている企業に、通信モジュールやクラウド環境、スマホ上のアプリ、プロトタイプ、各種認証、スマートスピーカー対応のスキル、取説等をワンストップで提供するビジネスを数年前から手がけている「Tuya Global」という中国企業がある。
日本国内ではソフトバンク C&Sが、そのワンストップソリューションを国内のスマート家電開発メーカーに提供を行っており、その成果物であるスマートライフ商品を販売しているのが+Styleだ。
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