T教授の「戦略的衝動買い」 第567回
普通の腕時計の見かけをした「ほかとはちょっと違う」スマートウオッチ
昔の上司から「CITIZEN Eco-Drive Riiiver」っていうスーパー腕時計をもらった
2020年02月07日 12時00分更新
iiideaは「T(トリガー)」「S(サービス)」「A(アクション)」の3つピースで構成されている。トリガー、サービス、アクションを組み合わせることで、自分好みの「iiidea」が誕生するという寸法だ
Eco-Drive Riiiverの最大の特長「iiidea」とは
さて、Eco-Drive Riiiverの最大の特長でもある「iiidea」を簡単にご紹介したい。IoTプラットフォーム「Riiiver」で活用できる機能は「iiidea」と言う名称だ。 iiideaは「T(トリガー)」「S(サービス)」「A(アクション)」の3つピースで構成されている。
Tはiiideaを動かすためのキッカケとなるいわばスイッチ、SはGmailやHueなどの利用するサービス、Aは針を動かしたりベルを鳴らすなど、動作だ。
iiideaは、スマホアプリ「Riiiver」で自分好みのピースを組み合わせるか、メインアプリの「CITIZEN Eco-Drive Riiiver」経由で「Riiiverストア」にある組み上がった既成のものをダウンロードして利用する。
まずEco-Drive Riiiverにiiideaをダウンロードしたら、Eco-Drive Riiiverの3つのスロット(iiideaの保管域)に送り込む。これにより、Eco-Drive Riiiverのボタン操作などによってスマホを遠隔操作し、さまざまな処理を行い、結果やステータスをEco-Drive Riiiverなどにフィードバックする仕組みだ。
IoTプラットフォームのRiiiverには、既にシチズンの提供するiiideaやデベロッパーユーザーが開発支援サイトをベースに作った数多くのiiideaが登録されており、Eco-Drive Riiiverのユーザーはスマホ経由で自由にダウンロードできる。実際にほぼすべてのiiideaを眺めてみたが、筆者的にはまだまだライフスタイルをアップデートするようなiiideaは見当たらず、シチズンが提供したお手本のiiideaとよく似たアイテムが重複して多く、今後に期待したいところだ。
現在、筆者は10個ほどのiiideaをスマホにダウンロードしたが、主に使っているモノは、Eco-Drive Riiiverのボタンを押すだけで、自分の現在地をプリセットした相手に即座に送る「私ここにいます」と、予め設定したメール内容(タイトルと本文、宛先)を使ってメールを送る「メールを送る」、そして3番目はボタンを押すと、既定のお天気サイトに行って今日の降水確率をチェックして、その結果をEco-Drive Riiiverの秒針が0〜59秒の間で0〜100%で指し示す、ちょっと風変わりだがユニークな「今日の降水確率」だ。
スマホアプリで1番のスロットに設定したiiidea「私ここにいます」を起動すべく、金色のボタンを操作してパワーリザーブインジケーターの小針をスロット1番を指すようにする。2番目の「メールを送る」を選択するには同じボタンをもう一度押して小針を先に進める
今回のコラムでは、自分の現在地をプリセットした相手に即座に送る「私ここにいます」の実際の操作を手順を追ってご説明しようと思う。まずごく普通に時刻表示をしているEco-Drive Riiiverの4時位置にある金色のボタンを押して「私ここにいます」アプリの収容されている、スロット1を指し示すようにする。
「私ここにいます」iiidea起動する為に、今度は2時位置のボタンを押すと、実行と同時に秒針は12時位置のACTIVATEを指し、パワーリザーブインジケーターの小針は黄色い幅の広いインデックスの中央辺りを指して停止する
続いて2時位置にあるボタンを押すことでスタートする。秒針は0時位置である"ACTIVATE"を指し、パワーリザーブ針は、幅の広い黄色いインデックスの中央を指し停止する。その時にEco-Drive Riiiverアプリはスマホ画面上で開いている必要性はないが、タスクとしてバックグラウンドでは動作していることが前提だ。
2時位置のボタンを押す操作でスタートしたiiideaが上手く進行していれば、スマホ上(CITIZEN Eco-Drive Riiiverアプリ)のiiideaの画面の最上段の左端ではBluetoothの通信が行われている通信中アイコンが表示され、右端にはスロット1が選択、実行中であることが表示されているはずだ。基本的にはスマホはポケットか鞄の中にあるのが一般的だろう。
スマホとEco-Drive RiiiverのBluetooth連携は常時接続ではなく、ユーザーによるEco-Drive Riiiver側のボタンを押した時に連動したiiideaからのオンデマンドに基づく一時接続なので、バッテリー消費上は理想的だが、筆者の感覚では、接続ミスによるリトライ要求もそれなりに多い。なかなか難しい問題だ。
iiideaの実行が不成功に終わった場合は、ビープ音と同時に秒針は9時位置の「RECCONECT」を指す。リトライするか、2時位置4時位置のボタン同時押しでBluetooth接続を再度行うか、どちらかだ
しばらくして無事連携動作が成功完結すると、Eco-Drive Riiiverは通常通り時計表示に変わり、秒針は秒を刻み始める。通信トラブルなどで運悪くiiideaの実行に失敗すると、Eco-Drive Riiiverはビープ音と共に秒針が9時位置の「RECONNECT」を指し停止する。
この場合、筆者は2時位置のボタンをもう一度押して、通常時計状態に戻し、再度同じボタンを押してリトライを行っているが、3度ほどリトライをやっても依然と成功しないケースも何度か経験している。基本的にBluetooth接続の不良だろう。
その場合は、2時位置と4時位置の両方のボタンの同時押しで、Eco-Drive RiiiverとスマホとのBluetoothによる強制再接続を行うのが手っ取り早い。一部の使用レポートでは、Eco-Drive Riiiverの購入時である最初にスマホとペアリングができていれば、両ボタンの同時押しは不要であるという記述もあるが、筆者の経験では、そのやり方では通信に失敗する確率が高い。
しかし、両ボタン同時押しをせずに2時位置ボタンを押すだけでも、2度目か3度目で成功したということも何度か経験したので、いまだ、iiideaの処理の成功定石が見つからないちょっと悲しい状態だ。
シチズンのオンライン取説にも、スマホとEco-Drive Riiiverの接続において、目的のスロットを選択してiiideaを起動する前には、必ず両ボタンの同時押しによるBluetoothの再接続を実行するように記述されている。まだ数十回しかテストしていないので筆者には今だどちらが正しいのかよくわからない。
無事「私ここにいます」のiiideaの実行が成功すれば、現在地のGPSアドレスが記載されたGmailが予め指定した宛先に届くようになるはずだ。ついでに筆者が2番目のスロットに入れてある単に事前に書いた「メールを送る」iiideaも、Eco-Drive Riiiverを入手してから自分や家族に数十回以上は送っている。
もちろん、「私ここにいます」同様、Eco-Drive Riiiverの一回のボタン押しで成功したことはかなり少なく2度押し、3度押し、時には両方同時押しを行って成功させてきた。この必要な手間暇が、筆者のメインスマホであるマイナーなHUAWEI Mate20 ProとEco-Drive Riiiverとの相性なのかどうか筆者にはよくわからない。しかし世界的に見ても、売れ筋であるHUAWEI Mate20 Pro上で起こっている不具合の意味は大きい。
筆者的にはまだまだハードウエア同士の連携性の段階で悶えている状況で、具体的にライフスタイルをアップデートしてくれるようなiiideaには出会えていない。そして自分自身でも、四六時中ない頭をひねっても、まだそういう発想も湧いてこない状態だ。
唯一のEco-Drive RiiiverユーザーであるFacebook友達からの大きなヒントで考え付いたのは、寝床であくびをしながらでもボタン一発で発信できる「突然ですが今日会社休みます」メールだ。このメールもリトライや両ボタン同時押し操作で目が覚めてしまわないことを祈るばかりだ。ましてメールが届かず無届けの長時間遅刻になってしまったら真っ青だ。
Eco-Drive Riiiverの「腕時計中心設計」の「発想」と「今迄にないモノを作る」という気概には大いに共感するが、エンジニア的に、また企画的に「できる」というステージとユーザーが使って「便利」というステージにはまだまだ大きな開きがあると感じてしまう商品だ。寝床でいろいろボタンをいじることなく、「今日会社休みます」メールが365日でも毎日悩むことなくボタン一発送れる今後の安定動作に期待したい
Eco-Drive Riiiverは、筆者の大好きなシチズン時計が既存のスマートウオッチトレンドに飽き足らず、腕時計メーカーとしてユーザーに向けて発信したまったく新しく楽しいコンセプトのはずだ。早くハードウエア連携などの些細な問題から抜け出して、Eco-Drive Riiiverだけができるエウレカな世界でライフスタイルのアップデートをしてみたい。

今回の衝動買い
アイテム:シチズン時計「Eco-Drive Riiiver」
・購入:シチズン時計公式オンラインストア
・価格:4万9500円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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