日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(Xperia 1以降は番外編としてグローバルモデルを紹介します)。
手のひらにすっぽり収まるサイズ
ソニー・エリクソン「Xperia X10 Mini」
2010年に国内初のXperiaとして発売された「Xperia X10」とは別に、海外モデルとしてさらに小型の「Xperia X10 Mini」というモデルが存在しました。
Xperia X10 Miniの画面サイズは2.55型(320×240ドット)と非常に小さく、そのぶんボディーサイズも約83×50×16mm、重量は88gと超軽量コンパクト。
背面にかけて丸みを帯びたデザインもあわせて、実際に手に持ってみるとそのまま手の中に収まってしまうほどの愛くるしさ。ポケットにも簡単に入り、持ち運びはまったく苦になりません。
スペックはCPUがQualcomm MSM7227(600MHz)、メモリーは256MB、ストレージは128MB。OSはAndroid 1.6。当時、メインモデルであったXperia X10のスペック(Snapdragon QSD8250 、メモリー384MB、ストレージ1GB)と比べると明らかに低いのですが、同じAndroid 1.6でありながら、Xperia X10はお世辞にも快適とは言い難い挙動でしたが、むしろXperia X10 Miniはディスプレーの小ささゆえの低解像度も幸いしてか、操作性は良好でした。
ただし、負荷がかかると挙動が厳しくなることもあり、ストレージ容量の極端な少なさもあって、アプリをインストールすることもままならないほどでした。幸いなことにmicro SDカードスロットがあったため、こちらにデータを保存することはできました。
また、2.55型というディスプレーの小ささと、QVGA(320×240ドット)という低解像度でも扱いやすくする工夫として、ホーム画面の四隅に電話やインターネットやアプリのショートカットアイコンを備えるといった、専用のカスタマイズがなされていました。
カメラについては、オートフォーカスやLEDのある500万画素のCMOSセンサー、そしてシャッターボタンもあり、このミニサイズでもきっちりとカメラの役割をはたしています。もちろん動画撮影も可能で、YouTubeや音楽の視聴もできました。
唯一の弱点は、あまりの小ささに文字入力のキータッチが難しいことです。それを見越してか、同じスタイルながらスライド式QWERTY キーボードを持つ「Xperia X10 Mini Pro」も同時に発売されました。
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