大手キャリアと比べて、安価な料金で利用できるMVNOの格安SIM。毎月の支払いを抑えられることから人気が高いが、一方で各社似たようなプランになりつつあるのも確か。そんななか、12月10日にHISモバイルが開始した「ビタッ!プラン」は、毎月の状況に合わせて柔軟な使い方が可能で、しっかり料金が節約できる興味深い内容となっている。本記事ではこのHISモバイルの新プランを詳しく掘り下げる。
余裕を考えてプラン選びをすると払いすぎになるが
追加チャージは割高……選択が悩ましいスマホの料金プラン
各社の料金プランにおいて、基本的に共通しているのが、毎月の通信量は上限が決まっていて、そこまで達してしまうと、月末まで速度が遅いのを我慢する必要がある点。そして通信速度を回復するには、1GB1000円といった割高な追加チャージを購入しなければならない点だ。
もちろん普段から“ギガ”をたくさん消費するユーザーであれば、通信量が多いプランを選んでおけばいいわけだが、月によって使う量は案外変わるものである。しかし、プラン変更が可能なのはほとんどのサービスで前月末まで。急に増えても対応できない。あらかじめ余裕を見て、常に通信量が多いプランで契約していると、結局使い切れなくて、無駄な支払いをしてしまう結果となる。
そこでサービスの中には「段階制」と呼ばれる、通信量に合わせて課金されるプランもあるが、使いすぎによって、支払いが予想以上に増えすぎるのが怖いし、そもそも定額制のプランと比べて、割高感があることが多い。
段階制で使った分だけ支払いがうれしい
料金は定額制並みで、さらにリミッターも設定可能
一方で、今回紹介する「ビタッ!プラン」は基本は使った分だけ支払う段階制でありながら、段階制と定額制、両方のいいところをミックスした内容となっているのが特徴だ。
まずは具体的な料金を見てほしい。
ドコモ回線の音声SIMで100MBまで月900円(以下いずれも税抜)というのは最安クラスだし、2GBまで月1420円、5GBまで月1920円というのは他の格安SIMと比べても遜色ないか、より安価なほどだ。
また、ここからが「ビタッ!プラン」で特筆すべき部分。月100MB/2GB/5GB/10GB/15GB/30GBと上がっていく段階のいずれの位置でも、あらかじめリミッターを設定しておくことができるのだ。たとえば2GBで設定しておけば、前述した月1420円以上の支払いが発生することはない。つまり、定額制プランのように使える。
その月のギガ消費量が予想より多くて、2GBまで達してしまった場合は、通信速度は低速(128kbps程度)に制限される。もちろん月末までそのまま我慢するのもありだろう。しかし、月途中でもリミッターをそれより上、たとえば月5GBに変えることも可能だ。この場合は、さらに3GB分を高速で通信可能。このときの差額は、表からもわかるように月500円。追加でチャージするより、大幅に安価となっている。
普段は想定されるギリギリの量でリミッターは設定しておき、それより多く使った場合だけ、月途中でリミッターを移動する。これにより、無駄な支払いを最大限防げる。これが「ビタッ!プラン」の魅力と言える。