カーシェアとも違う
自動車共有サービス「CAROSET」開始!
電通は10日、自動車オーナー同士で愛車の一時交換ができるアプリサービス「CAROSET」を提供開始した。
通常のカーシェアではクルマを所有していない人でも利用できるが、CAROSETはあくまでも自動車を所有している人同士の交換をテーマにしており、そこはカーシェアなどとは一線を画す「共利用型シェアリング」であると、カローゼット社長の内藤丈裕氏は強調した。アプリは現時点ではiOS向けのみで、Android対応は検討しているが時期は未定としている。
月額780円(税別・2020年5月まで無料)で登録することで、利用できるようになる。カーシェアでは貸してしまうと、オーナーはクルマがなくなってしまうが、CAROSETの場合は交換なので、必ずクルマが使える。なお、この一時交換にはオーナー間の金銭授受は一切発生しない。たとえば、スキーに行くのでスタッドレスを履いた4WDが借りたい、友達と出かけるのでワンボックスが借りたいという場合にアプリで検索し、条件に合うクルマを借りることができる。
しかし、クルマを借りるには自分もクルマを貸さなければいけないルールがあり、ユーザー登録したての場合は、「前借り制度」を利用して借り、その後30日以内に自分のクルマを貸す必要がある。誰に貸すことなく30日を過ぎてしまった場合、4980円(税別)を前借りした日数分支払う必要がある。
また、中古車販売店やディーラーなどが試乗車を活用した「プロオーナー」も存在し、プロが点検しているクルマが借りられるうえ、基本的にプロオーナーは交換したクルマを利用しないので、走行距離も増えない。
カーシェアでも事故や盗難などのトラブルが発生しているが、CAROSETの場合、入会の条件が任意保険と車両保険に加入していることが必須、交換の際に運転免許証を提示といったルールがあり、もし借りたクルマをぶつけてしまったときには借りた人の保険の「他車運転特約」で支払う。基本的にこれらの事故は当人同士での解決が基本だが、支払えないくらいの金額になってしまったときは、CAROSET側と相談することになる。また、借りたクルマでオービスを光らせたり、路上駐車で違反になった場合も本人同士での話し合いが前提だが、マナーの悪いオーナーには評価制度でマイナスを課すことができる。
車両保険に加入していないと会員になれないというハードルを課すことで、クルマを大事にしている人が集まるので、借りたクルマを売ってしまったり事故や違反を起こしたりといったことは少ないだろうとのこと。「初めてのビジネスなので、始まってみないとわからないことがたくさんある。ひとつひとつ解決していきたい」と内藤社長は語っていたが、新たなシェアリングの価値観を創出することを期待したい。