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高いが精度は高そうだ:

ふとんの西川、睡眠データ取れるマットレス

2019年12月10日 17時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 2歳児くんの保護者をしてます盛田諒ですこんにちは。育児に一番必要なものは何かといわれたら一も二もなく睡眠と答えます。とくに新生児のときは質のいい睡眠こそが最強の育児アイテムであると経験から強く断言いたします。育休のときに寝不足で何度地獄を見たことか。

 ふとんの西川が12月10日に発表したのは、睡眠データを取れるセンサーつきマットレス「エアーコネクテッドSI」。眠りの深さをグラフ化して眠りについてのアドバイスを受けたり、パナソニックのエアコンや照明を自動制御して、眠りの質を上げられます。マットレスの価格は14万800円。快眠環境サポートサービスの月額利用料金は990円。サービスは3月18日提供開始予定です。

●センサーで眠りの深さを可視化

 マットレスの裏側、胸がのる部分に入っているひも状の体動センサーが、呼吸などからくる振動を1秒ごとに検知。Bluetooh送信機を通じてスマホに体動データを送り、睡眠状態を推測して記録する仕組みです。センサーの精度は一般医療機器並み(クラス1)。スマートウォッチなどと違い、センサーが体に直接ふれない非接触方式で、眠るときもじゃまにならないのが利点とのこと。

 スマホアプリでは眠りの深さをグラフやスコアで見られます。睡眠時間、睡眠効率、寝つき時間、中途覚醒回数、目覚めの状態、深い睡眠などのスコアを合計100点満点で評価。いつもより点数が低かったときは前日何があったかを記入すると、赤ペン先生的な眠りのアドバイスが受けられます。

 パナソニックのエアコンは、睡眠データ、暑がり・寒がりといった個人の嗜好をもとに温度・風向・風量をコントロール。たとえば暖房運転をしているとき、眠りはじめは風があたらないよう上向きにして、眠りこんだら空気を循環させるように下向きにするなどの調整をするそうです。めざめたときに暑かった、寒かったというフィードバックをするとさらに最適化を進めるそうです。

 おなじく照明は、起きたい時間にあわせてちょっとずつ部屋を明るくしていきます。通常も起きたい時間を設定するとオレンジから白へと朝日がのぼるように明るくなっていきますが、ちょうどいいタイミングで起きられるように睡眠データにあわせて明るくするポイントを調整するそうです。

 動作対象は通信対応製品。エアコンはEXシリーズなどで想定価格14万円前後から。照明器具がLINK STYLE LEDシリーズなどで想定価格4万5000円前後からです。

●2社の知見をあわせたハイテクふとん

 西川は1984年、睡眠生理的などを科学的に検証する日本睡眠科学研究所を設立。2009年には研究結果をもとにマットレス「エアー」シリーズを発売しました。2017年からは自宅の睡眠環境を可視化するサービス「ねむりの相談所」を始め、昨年から睡眠関連サービスの共同開発を始めました。

 パナソニックでは昨年から睡眠データにもとづきエアコンを制御する実証実験を開始。「人によって異なる睡眠の悩みは家電だけでは解決できない」ということで、西川がもっている寝具の知見と、パナソニックがもっている寝室環境の知見をあわせたサービスを開発することにしたそうです。

 言いたいことはわかるのですが高いですね……通常8万円のマットレスに6万円の機械がついてランニングコストが月約1000円、できれば14万円のエアコンや4万5000円の照明も買いましょうというのはけっこうヘビーです。センサーが一般医療機器並みだといっても睡眠に困難のある人が治療用に使えるわけではなくあくまでヘルスケア目的なので、思いきりが必要なお値段です。

 とはいえ1日の3分の1を使っている眠りの時間に投資をケチらないほうがいいという考えもありますからね、良い眠りを得るのが急務だという方はご検討ください。




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