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docomo MOBILE EVOLUTION 2019

パートナーとの協創により革新へと向かうドコモの5G

2019年11月01日 14時30分更新

文● BookLOUD 根本

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パートナーとの協創ソリューション事例

 ドコモは様々な価値創造や社会的課題の解決に向けて、パートナー企業と連携して約200件のトライアルを実施してきた。藤森氏は講演で10個の事例を挙げたが、本稿ではその中から、3つの事例を紹介しよう。

 最初の事例は5Gのニーズが高い放送業界のもの。スポーツ中継を屋外で行う場合、カメラと中継車の間をケーブルでつなぐ必要がある。例えばゴルフトーナメントで終盤5ホールを生中継するためには、約1万メートルのケーブルが必要で、その重量は1トンにも及ぶ。その準備には担当者6人で丸1日を要する。

 このケーブル区間を5G通信に置き換えて、ケーブルと同品質での生中継ができるかどうかの実験を仙台放送とドコモが連携して行った。結果として5G区間を通った映像が生放送で使われ、ケーブルのコストや人件費の削減につながる可能性があることが確認できた。

5G通信を介した生放送

 2つ目の事例は5Gの高速・大容量だけでなく、低遅延の特徴を生かした建設重機の遠隔操作実験である。

 人口減少は日本の大きな社会的課題の1つとなっているが、建築業界では特にその影響を強く受けており、人手不足問題の解消や現場作業員の安全確保に向けて、株式会社小松製作所とドコモは建設重機の遠隔操作システムを開発した。

 東京・溜池山王のドコモ本社と神奈川県平塚市の小松製作所の試験フィールドをネットワーク回線でつなぎ、5Gの無線装置を搭載した20トンクラスの油圧ショベルを遠隔操作した。遠隔操作者は、現場の細かい状況を5Gを介して伝送された5枚の2K高精細映像を通してリアルタイムに把握しながら、無人の大きな油圧ショベルを高い精度でスムーズに動かすことが可能になった。

 この遠隔操作システムを使えば、日本全国に広がる複数の建設現場の重機をオペレーション拠点にいる限られた人数の遠隔操作者が現場を移動することなく効率よく操作できるようになる。さらに、本システムを海外展開することにより、国際競争力の強化につながることも期待できる。

建設重機の遠隔操作

 ロボットはAIと並んで現在最もホットな研究開発テーマである。3つ目の事例は、そのロボットを操作者が自在に動かすために、高速、低遅延な5Gネットワークを適用した実証実験である。

 この実験では、5G技術だけでなく、ロボットの視覚(2台のカメラから得られた映像を3D化)と触覚(ロボットハンドからのハプティックフィードバック)を操作者に同期することにより、ロボットのリアルタイム遠隔操作を可能にした。

 ロボットが実用化され、それを遠隔地から操作できるようになると、危険地帯での作業をロボットで代替できることになり、現場作業員の安心・安全に寄与することができる。いまだに人間がロボットに乗り込んで操作しているロボットアニメのようなフィクションを現実が超えつつある実例といえよう。

人型ロボットの遠隔操作

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