このページの本文へ

盛田 諒の「ほぼほぼ育児」第24回

子育ての大変さ 1歳と2歳じゃ大違い

2019年10月18日 11時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2歳児くんの保護者をしています盛田諒ですこんにちは。子が「いやーだ!」と歯ブラシや着替えから逃げまわることが増えてきました。第一次反抗期到来でしょうか、いよいよ2歳児のいる家らしくなってまいりました。この2歳児ってのは大変なんですが面白いもんですね。

●「中途半端」が大変な時期

 子どもが生まれる前はまったく分かっていませんでしたが、1歳と2歳は別の生物ですねこれは。「いっぱい」「おんなじ」「さっき」などの概念を理解して、やりたいことをはっきり口に出せるようになったのはえらいことです。

 時間と空間の広がりがわかるというのが大きな変化です。『育ちのきほん』という本では、いまここがすべての1歳児、自分の中に小さな宇宙が生まれる2歳児という感じのいい表現をしていました。たった1年で生きる世界のすべてが変わるんだから、そりゃ別の生物になるわけですね。

 子もようやく同じ宇宙に暮らしはじめたとはいえ、子の宇宙と親の宇宙は別物です。言っていることが伝わっているようで伝わらない、半端なところがおたがい大変ですねという感じです。

●会話できるようでできない

 1歳のころはいま見ているものがすべて。「わんわん」「救急車」など目に入ったものを指すことでコミュニケーションをとっていました。「ホイールローダー」「双腕重機」など使われる単語がややヘヴィでしたが、目の前にないものについて話すことはほぼありませんでした。

 これが2歳に近づくと「さっきわんわんいたね」「救急車2台も来た」「電車いっぱいあったね」など、表現の幅が広がってきました。

 一方、「おまめ乗ったね」と妙なことを言われて「おまめって?」と聞き返すと、困った顔をして「おまめ乗ったね!」とくりかえします。すでに知っていることを「これなに?」「なんで?」と聞いてくることもあります。これは自分が見たもの、知っているもの、感じていることを親と話すことで確認するためらしいですね。会話ができるようでできないことが厄介なところです。

 「お月さま雲のおふとんかけてるね」などと詩的なことを言ってきて、かわいいね〜とデレることもたくさんあるのですが。暮らしている宇宙の違いだと思えばいいのかもしれないです。

●自分でしたいけどできない

 1歳のころは親と自分がまだわかれていないので、親にくっついて歩きまわり、言うことなすことをまねしていました。「めんどくさい」などと微妙な言葉をまねするのでやべーなどと思いつつ、わずらわしさと愛らしさが混ざりあった気持ちになっていました。

 これが2歳に近づくと、自分は自分、親は親という考えが芽生え、「自分でやるの!」「やらないの!」が増えていきました。いわゆる第一次反抗期、独立期、イヤな言葉ではイヤイヤ期です。これが始まると自分でやることがうまくいかないと泣き、やりたくないことを親がやろうとしても泣くようになります。機嫌が悪いときは5分おきに泣くので、親も泣くことになります。

 とはいえ子はちょっと時間が経てば忘れてしまうものなので、「やりたいね〜」「やりたくないね〜」とのらりくらりかわせればいいのですが、だいたい時間がないときにやるので泣けますね。

●やってはいけないことをする

 1歳のころは脳内にデータベースをつくっていく時期なので、知らないものがあったら手を出し、口に入れるというマッドサイエンティストぶりを発揮していました。ティッシュやトイレットペーパーが犠牲になるのはともかく、iPhoneの充電ケーブルに肝を冷やした記憶があります。

 これが2歳に近づくと、親が「あーッ!」と言うのをおもしろがっていたずらをおぼえるようになったので大変です。「コップを落とすのは壊れちゃうからダメなんですよ、お茶飲まないならごちそうさましましょう」などと言いはするものの、この時期はまだ因果や善悪の認識がうすいというので「言ってもわかってないんだろうなあ」と、いまいち教えがいがありません。

 とはいえ言葉が出ていない0歳児も話しかけまくったほうが発達にはよいと言うし、子というのは驚くほど親から言われたことをおぼえているものなので、言うべきことは言っておいたほうがいいんかなとやっている感じです。「いまはまだわからないかもしれないが、そのうちわかるときが来るはずだ……」と、村の長老のような気持ちでやっています。

●いまがいちばん大変でかわいい

 子が生まれる前はざっくり「子育て」というくくりでとらえてましたが、年齢というか月齢によって本当にぜんぜん別物になるもんですね子ってのは。

 誰かに子の年齢をきかれ、何歳だと答えても「いまがいちばん大変ね」とか、「いまがいちばんかわいいわね」と言われるのはそういうことかもしれないです。子の心と体が発達にあわせてダイナミックに変化していくことが、親からすればいつも大変でいつもかわいいことになるのかなと。そういうめまぐるしい生物と暮らすのが親ってもんなのかもしれないと思います。

 その意味、「子育て支援」ってのもなかなかざっくりした概念ですよね。子の発達次第で大変なことは変わっていくわけですから。もしこの社会がさまざまな子どもたちの発達にあわせて設計されていたら、それこそ究極の子育て支援になるのかもしれないなと思いました。いろいろなことを考えさせてくれますね2歳児は。盛田 諒でした。


(10月11日の連載は休みました)





カテゴリートップへ

この特集の記事
ピックアップ