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フランス、政府サービスの登録認証に顔認識を導入へ

2019年10月08日 07時59分更新

文● Charlotte Jee

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Ms. Tech | Original images: Pexels/Unsplash

フランス政府が全国民を対象としたデジタル IDに、顔認識テクノロジーの導入を計画しているとブルームバーグが報じた。11月に運用が開始される予定の「アリセム(Alicem)」と呼ぶIDプログラムの一部だ。政府はこのアプリにより、国民が安全なデジタルIDを使って税や社会保障などの公共サービスにオンラインでアクセスできるようになり、「国家運営の効率性が高まる」と主張している。

顔認識は、フランス国民が法的に有効なデジタルIDを作成するための唯一の方法となる。登録は1回限りで、ユーザー(国民)がアリセム・アプリで撮影した動画とパスポート写真を比較して登録する。

フランスのデータ規制当局は、このプログラムがデータ収集に関して同意を必要とする欧州の規制に違反していると述べており、フランスの最高行政裁判所で異議を申し立てられている。今年初めにはアリセムがハッカーに侵入されたこともあり、安全性への懸念もある。だが、こうした問題があっても、内務省はこの計画を続行する姿勢を崩していない。

シンガポールは政府のサービスに向けた顔認識ID制度を構築しており、インドは国の国民識別番号制度の「アドハー(Aadhaar)」IDシステムの一部に虹彩スキャンを使っている。とはいうものの、フランス政府は、中国とは異なりIDシステムを市民の監視に利用したり、本人確認データベースと統合したりすることはないと主張している。登録終了後に顔のスキャンデータは削除するという。

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