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南極の棚氷から巨大氷山が分離、気候変動とは「関連なし」

2019年10月03日 07時23分更新

文● Charlotte Jee

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Australian Antarctic Division

1963年以来最大となる、1630平方キロメートルの氷山が南極のアメリー棚氷から分離した。

アメリー棚氷から分離したこの氷山は、欧州連合(EU)のセンチネル- 1(Sentinel-1)衛星システムによって検知され、「D28」と名付けられた。南極のプリズ湾域での海運活動および補給活動に深刻な影響をもたらす可能性があるため、追跡が続けられている。「氷河分娩」と呼ばれる今回の分離現象は先週起こったが、研究者らのグループがこの現象について発表したのは10月1日だった。

今回の現象は、気候変動とはまったく関連が無い。 「棚氷の通常のサイクルの一部であり、60年から70年ごとに大きな氷河分娩が発生しています」と、米スクリップス海洋研究所のヘレン・アマンダ・フリッカー教授はオーストラリアン(The Australian)紙 に語った。海面レベルへの影響も無いと予想されている。

今後は複数の人工衛星が、D28がどこに行くのか、どのくらいの速さで移動するのかを注意深く追跡する予定だ。氷山の周囲に海氷が形成されると、その地域の監視施設への輸送を妨害して大きな問題になる可能性がある。 また、「ぐらぐらの歯」と呼ばれている残った棚氷の部分も、遠からず分離する可能性があるため、人工衛星がアメリー棚氷を観測している。

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