ファーウェイは19日(現地時間)、ドイツ・ミュンヘンでイベントを開催し、新ハイエンドスマホ「HUAWEI Mate 30」シリーズを発表した。
HUAWEI Mate 30シリーズは、さらに文句なしに強化されたカメラが大きな話題だが、イベント前からもう1つ注目を集めていたのがOSだろう。米商務省の「エンティティリスト」入りにともない、新規に米国企業から、ソフトウェアを含む、製品やサービスの購入が困難になった。そこで同社はマイクロカーネルベースの独自OS「HarmonyOS」の存在も公表している。
結論から言えば、採用されたのはAndroid 10ベースの「EMUI 10」。EMUIはオープンソースプロジェクトであるAOSP(Android Open Source Project)の成果としてのAndroidを用いつつ、独自の改良を加えたもので、同社端末ではおなじみの存在。
一方でHUAWEI Mate 30では、グーグルとの契約が求められるGMS(Google Mobile Services)をサポートしていない。GMSにはAndroidスマホが正式なAndroidスマホたらしめるために必要なGoogle Playなどのグーグル製アプリが含まれており、これらが利用できない。
そこでファーウェイは、独自のプラットフォームとしてHMS(HUAWEI Mobile Servies)の展開をアピール。アプリ開発者にアプリストア「AppGallery」を含む、HMSのエコシステムに参加するよう促した。
とはいえ、グーグルのサービスが広く利用されている日本を含めた多くの国では、グーグル製アプリが無い端末では厳しいのが現実だろう。米中間の何らかの妥協で、グーグル製アプリが復活することはあるのか、それともHMSのエコシステムの拡大に注力するのか、今後もその動きが気になるところだ。