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「環境にやさしいクルマ」が独禁法違反?米司法省が調査へ

James Temple

2019年09月10日 07時39分更新

記事提供:MIT Technology Review

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Courtesy: Ford

米国の反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)規制当局が自動車メーカー4社を捜査している。容疑は、「燃費の優れた車の製造について、カリフォルニア州と取り決めを交わした」という共謀行為だ。

カリフォルニア州とBMW、フォード、ホンダ、フォルクスワーゲンの4社は2019年7月、車の燃費性能を2026年までに平均で1ガロン(約3.8リットル)あたり50マイル(約80キロメートル)に引き上げることで合意した。今回のニュースを最初に報じたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙によれば、司法省はこの合意が「自動車メーカーが消費者に提供する自動車やトラックの種類を人為的に制限」しているかどうかに注目しているという。

この合意は、競争を阻害する行為なのだろうか? そうではない、と話すのはジョージ・メイソン大学のデビッド・ハート教授(科学政策)だ。反トラスト法の目的は、独占やカルテルを防止することだ。イノベーションを推進したり、温室効果ガスの排出を削減したりする可能性のある規則を阻止することではない。

スタンフォード大学のマイケル・ワラ博士(法学)がツイッターで指摘したように、今回の反トラスト法に関する徹底的な調査は、厳格な環境基準の遵守によって企業が恩恵を受ける可能性を前提としている。とはいえ、トランプ大統領自身は燃費基準を「産業を殺す規則」と呼んでいる、とワラ博士は指摘した。

トランプ政権はオバマ時代の基準を後退させ、1ガロンあたり37マイル(約60キロメートル)の燃費基準を維持しようとしている。また、カリフォルニア州が長年維持している独自に燃費基準を決められる権限を剥奪しようともしている。自動車メーカーは米国内の異なる市場に合わせて車の仕様を変更したくないため、これまではカリフォルニア州の基準が自動車産業全体の燃費基準を引き上げることが多かった。

だが、それが今回の捜査の理由ではないだろう。自身の独立性を守るという数十年の規範により、司法省は大統領の直接の指示を受けることはない。WSJ紙のニュースソースは、司法省が「ホワイトハウスの指示や連携なしに、独自に動いている」と話した。

ハート教授は、ホワイトハウスが「法執行機関を武器化」しているようだとツイッターに投稿している。ハート教授はMITテクノロジーレビューに対し、ホワイトハウスの政治的な目的が今回の捜査の決定を後押しした事実は把握していないが、「一見したところ、別の解釈をするのは難しいですね」と語った。

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