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「Ingress」「ポケモンGO」のナイアンティックの新オフィス見学

2019年09月03日 17時30分更新

文● MOVIEW 清水 編集●南田ゴウ/ASCII編集部

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新オフィスに移転したナイアンティック

「Ingress」「ポケモンGO」の
ナイアンティックの新オフィスを見学

 位置情報ゲーム「Ingress」や「ポケモンGO」、そして7月に「ハリー・ポッター 魔法同盟」をリリースしたナイアンティックが新オフィスに引っ越し、メディア向けに新オフィスを公開した。新オフィスの所在地は東京都港区で、周囲には緑が多くフィールドへ出て遊ぶゲームを開発するナイアンティックにとてもフィットした環境だ。

コミュニケーションとクリエイティビティーを
なくさない環境とロケーション

 ナイアンティック初の海外拠点として2015年に日本法人ができてから4年。4人で始まった最初のオフィスから数えて3つ目となる今回のオフィスに移転するに当たり「コミュニケーションとクリエイティビティーはなくさないようにすることを心がけた」と代表取締役社長の村井説人氏は語る。

ナイアンティック代表取締役社長の村井説人氏

最初のオフィスは4人から始まった

 このオフィスにはPR、パートナーシップ、マーケティング、オペレーション、UXチーム、開発を担当している東京スタジオチームとすべての部門が入っているが、ナイアンティックの風土として、部門の垣根なくみんなが自由にコミュニケーションすることができる環境を大事にしている。

 これまでの小さなオフィスでは、そのような環境を気にせずにコミュニケーションできたが、ここに移るにあたって、大きなオフィスでもコミュニケーションできるように、机の配置も含めて考えたとのことだ。

 クリエイティビティーという点では、社員自身が外に出てゲームを楽しむことが重要で、今までも声を掛けて一緒に外に出てポケモンGOのレイドを行なうといったことを業務としてやっているので、その点を重要視したという。たとえば、オフィスが高層になって外へ出にくくなったり、バラバラの場所になって声を掛けづらくなるということを避け、7階で外にも出やすく、緑も豊富で楽しい空間になるよう、社員でこの場所を選んだとのことだ。

オフィス入り口には、ナイアンティックの拠点のあるムンバイ、香港、東京、シスコ、ロンドン、ハンブルグの時刻を示す時計が飾られている

受付に置かれた「Ingress」5周年の際のファンの寄せ書き

会議室は日本の伝統色の名前がつけられており、その色のイスが置かれている

漆黒という名の会議室も

和室は瞑想場所などに使う

 実際に業務を行なう執務室は撮影不可とのことで中を見学したが、パーティションなどの仕切りがなく、部屋全体がオープンなスペースとなっており、コミュニケーションの取りやすさを重視した環境となっていた。

東京から世界に向けて発信する

 社内ツアーの後、各プロダクトについての報告や今後についての説明がなされた。

Ingress

 2015年から47回開催されているミッションデーや、毎月第1週の土曜日に開催されているファーストデーなど、多くのイベントが開催されてきた「Ingress」。2018年11月には「Ingress Prime」がリリースされ、便利な操作が多く追加された。

 今後は、9月14日には実験的なイベントとしてフィールドテストの実施、9月21日には北陸初のミッションデーを開催予定だ。

左が5年前に京都で行なったイベントで、右が今年開催のイベント。参加者は5年間で23人から数千人に増加した

「Ingress」のイベント実績

2018年11月にリリースされた「Ingress Prime」

ハリー・ポッター 魔法同盟

 今年7月にリリースされた「ハリー・ポッター 魔法同盟」は、35ヵ国でナンバー1アプリ、45ヵ国でナンバー1ゲームアプリとなるなど好調な滑り出しとなっている。最近では日本語版のコミュニティーフォーラムをリリースし、8月31日、9月1日はファンフェスティバルも開催された。

 今後もコミュニティーデーなどのイベントやファンフェスティバルのように、リアルにユーザーが集まるイベントを積み重ねていきたいという豊富が語られた。

インタラクション制作の様子

最近リリースされたコミュニティーフォーラム

ポケモンGO

 3周年を迎えた「ポケモンGO」は世界各地でイベントを開催し、今年はシカゴで6万人、ドルトムントで8万5000人、そして横浜で15万人を集めた。特にシカゴと横浜では、過去に開催したイベントで支障があったこともあり、今回完璧とは言えないが成功裏に開催できたことは、会社として大きな足跡を残せたと考えているという。

 また、ロケット団をリリースしニューヨークでは広告ジャックを行なったり、日本ではロケット団がポケモンを運んでいる姿をツイートするなどのキャンペーンを実施した。これは、ユーザーがいる世界にロケット団が本当に攻めてきたという雰囲気を作り、とても効果的なキャンペーンとして数字にも現れているという。「Ingress」で学んだ、現実世界とバーチャルが融合したコミュニケーションがナイアンティックの強みであり、今後もこのようなおもしろい活動を続けていきたいと語られた。

 ナイアンティックは「共に歩いて冒険をしよう!」という言葉をミッションとしてサービスの開発・提供に取り組んでおり、「身の回りの世界を探索してもらいたい」「一人でも友人とも家族ともみんなと歩いてもらいたい」「現実世界で人と触れ合ってもらいたい」といった機会を提供するサービスをこれからも作り続けたいという。

15万人が参加した横浜イベント

リアルとバーチャルを融合させるようなマーケティングを実施した

ナイアンティックのゲーム特徴の一つである企業とのパートナーシップでは、3タイトルで14社のパートナーを獲得している

開発を進めているナイアンティック リアルワールドプラットフォーム。現在の3タイトルはこの上で稼働しており、将来さらに新たなプロダクトが加わっていく

 村井氏は最後に「東京スタジオチームはグローバルの開発拠点として、ここから世界に向けて発信。アジア全体をカバーするビジネス拠点としてこれから発展していくために、どのような価値を提供できるのか。そこに大きなチャレンジがあり、それに向かってチームメンバーととも突き進んでいきたい。そのための新しいオフィスではあるが、大きなオフィスになったからどうということはなく、地に足を着けて、謙虚に一歩一歩着実に進んでいきたい」と語り、新しい拠点での活動の抱負で締めくくった。

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