このページの本文へ

米当局、薬物密売中国人の暗号通貨アドレスを制裁リストに追加

2019年08月27日 07時52分更新

文● Mike Orcutt

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

米財務省は、合成オピオイド(麻薬性鎮痛薬)を国内で密売した罪に問われている3人の中国人のものと見られるデジタル通貨アドレス数件をブラックリストに追加した。

米財務省の外国資産管理局(OFAC)は、シャオビン・ヤン、フージン・ジェン、グアンフア・ジェンが米国で国際的な薬物密売をしていたとして、これら3人の国内資産を凍結する措置を取った。OFACはまた、3人と関連する複数のデジタル通貨アドレスをブラックリスト入りさせた。件の薬物密売人が、利益の「一部をビットコインなどのデジタル通貨を使って」資金洗浄したとの判断だ。

OFACがブラックリストに追加したデジタル通貨アドレスは、これが初めてではない。2018年11月に、OFACは2人のイラン人につながるビットコインアドレスを「特定国籍業者(Specially Designated Nationals)」リストに追加し、米国人がこの2人と取引することを禁じた。

2人のイラン人は、ランサムウェアの身代金として得た数百万ドル相当のビットコインの交換を助けたとされる。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は当時、このニュースを、「不正利益が現金ではなくコードで取引される新たな時代の兆候」と報じた。3人の中国人に対する今回の措置は、暗号通貨による資金洗浄の取り締まりに米国当局がいかに真剣であるかを改めて示している。

それでも疑問は残る。ブラックリストに掲載されたユーザーが単純に新しいアドレスを入手したらどうなるのだろうか?  それは比較的容易なことに思える。あるいは、米国の機関がブラックリストにあるアドレスと取引したらどうなるのだろうか?  デジタル通貨アドレスを公表したのは、資金洗浄を目論んでいる者にメッセージを送る意図が強いのかもしれない。「あなたは見張られている」と。

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ