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いま何を読んでいる? UCBが新たな3D脳マップ

Charlotte Jee

2019年08月23日 07時54分更新

記事提供:MIT Technology Review

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言葉に対する脳の反応を表す3Dマップによって、ディスレクシア(識字障害)や発話障害を理解し、治療するための新たな道が開けるかもしれない。

カリフォルニア大学バークレー校の研究者らはfMRI(磁気共鳴機能画像法)を用いて、9人のボランティアによる被験者の脳活動を(代替的指標として血流を利用して)測定した。測定では被験者に、世界中の500のラジオ局で放送されているストーリー系ポッドキャスト「ザ・モス・ラジオ・アワー(The Moth Radio Hour)」からの物語を聞かせて、その後、読んでもらった。研究者らは被験者らが物語を(データを分割するため、1度に1語ずつ)読んだ際の脳活動データを収集し、次に同じ文章の録音を聞いた際のデータと合わせて、タイムスタンプ付きの物語の文字起こしと照合した。

その結果に対し、自然言語処理のコンピューター・プログラムを実行して、何千もの単語について、互いの関係性に基づくマップを作成した。たとえば、「社会」カテゴリーには「夫」や「父親」、「姉妹」といった単語が含まれる。すると、カテゴリーの種類によって、脳内の異なる領域の活動が刺激されることがわかった。たとえば、上記の「社会」カテゴリーに含まれる単語は、耳の後ろの右側の領域の活動を活性化した。この領域はまた、時間や人間、劇的な出来事を表現する言葉に、特に強く反応した。

論文の筆頭筆者である博士研究員のファトマ・デニズによると、今回の研究により、物語を読むことと聞くことの間には、脳活動において多くの類似点があると結論づけられたという。これまでは読むことと、聞くこととの間には明確な違いがあるはずだと考えられていた。研究結果は8月19日付けの「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(Journal of Neuroscience)」に掲載され、アップデートされた新たな脳マップは来週公開される予定だ。

今回の発見に基づいて、ディスレクシアを有する人々が読む・聞く際の脳マップを、有しない人々から成る対照実験グループの脳マップと比較対照することで、ディスレクシアの臨床アプリケーション構築に役立つかもしれないとデニズ研究員は語る。脳がどのようにして言葉を処理しているか理解することはまた、より高性能な音声認識装置を開発したり、言語障害を持つ患者を支援したりするのに役立つだろうと同研究員は付け加えた。

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