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ゆくゆくは他社の家電ともつなげる計画:

シャープの冷蔵庫が「洗濯が終わりました」と言うので壊れたのかと思ったらそういう機能だった

2019年08月27日 11時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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「洗濯が終わりました」という冷蔵庫

 2歳児くんの保護者をしています盛田 諒ですこんにちは。子どもが走り回ったりしていると洗濯終了のお知らせに気づかないことがあります。シャープが冷蔵庫に「洗濯が終わりました」と言わせる機能を追加したという話を聞いてなるほどと納得しました。それなら気づくかもしれない。

冷蔵庫につながるタテ型洗濯乾燥機

 シャープが8月27日に発表したタテ型洗濯乾燥機(洗濯容量11kg、10kg、8kg)と全自動洗濯機(同11kg)はすべて通信機能AIoTに対応し、同じくAIoTに対応する冷蔵庫との連携機能をもちました。昨年AIoT対応したドラム式洗濯乾燥機とあわせ、AIoT対応洗濯機は5製品になりました。

 AIoT機能では洗濯機からWi-Fiを通じてインターネット(クラウド)に接続し、「今日は花粉が多いみたい。乾燥機能がおすすめです」と天候にあわせたアドバイスをもらったり、「夏祭りなどで着た浴衣を洗いませんか?」と提案を受けて専用洗濯コースをダウンロードしたりできます。

アプリが洗濯アドバイスをしてくれる

 専用のアプリでは衣類・洗濯・汚れの種類にあわせた専用コースをダウンロード可能。「カーディガン」「ぬいぐるみ」などの品目や「シワをおさえたい」といったこだわりにあった専用コースを選べます。洗剤の銘柄を登録しておけばコース向けの適正量もアドバイスしてくれます。

洗い方にあわせて簡単にコースを選べる

 アプリでは洗濯乾燥機に搭載する4種類のセンサー(光・温度・水位・重量)をもとに「汚れが少なかったので、すすぎ1回にしました」などの履歴も表示してくれます。エラーの内容や解決策もわかるので、取扱説明書片手に洗濯乾燥機とにらめっこしなくてもよくなりそうです。

 シャープのタテ型洗濯乾燥機は「穴なし槽」「内ぶたレス」が特徴。洗濯槽に穴がないため裏側に黒かびが発生しづらく、内ぶたがないため投入口が大きく洗濯物を入れやすい仕様です。2年前からは衣類を予洗いできる「超音波ウォッシャー」を本体に搭載、洗濯の選択肢を広げました。天板(フタ)はボタンがないフラットなタッチパネル。拭くだけで汚れがとれます。

 あとは他社みたいに自動洗剤投入機能をつけてくれたらいいのになあ……。

予洗い用の超音波ウォッシャー

フタはタッチパネル

 シャープは洗濯機と冷蔵庫のようにつながった家電の運転状況を「COCORO HOME」という一つのアプリで管理できるようにする計画を進めています。利用者としてはWi-Fiにつながる家電の数だけアプリを管理するのは相当うざいので、一つのアプリに情報がまとまるのは理想です。

 いまつながっているのはシャープ製の家電だけですが、設計上は様々な業者とつながれます。今後はセコムやKDDIなどが提供するサービスにつなぎ、さらには競合メーカーの家電ともつなぎたいと話していました。パナソニックや日立やダイソンやアイロボットとつながれるかが鍵ですね。

 これはWi-Fiにつながった家電を音声で操作できるスマートスピーカーを開発しているグーグルやアマゾンのようなIT大手に主導権を奪われないようにするための戦略的サービス。さながら家電の領空権をめぐる空中戦です。膨大なアカウントをもつ巨大なプラットフォームとどう戦うんだとか、出版業界でも似たようなことがあったぞとは思いつつ、ローカルアライアンスの行方に注目です。

 シャープの計画からすれば「洗濯が終わりました」と冷蔵庫が言うのは序の口で、さらに様々なことができるようになるはずです。そのうち家電同士がしゃべりはじめて「美女と野獣」のお城みたいになるかもしれません。そうなれば子どもがもっと騒ぎそうですが。盛田 諒でした。


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