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ニューヨーク・タイムズ、デマ撲滅にブロックチェーン活用へ

2019年07月28日 12時55分更新

文● Mike Orcutt

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ブロックチェーン・テクノロジーは、ニューヨーク・タイムズ紙が立ち上げた新しい研究プロジェクトの中核となるテクノロジーだ。プロジェクトの目的は「読者に対して、報道コンテンツの出所をより明確にする」ことにある。

ニューヨーク・タイムズ紙は、ニュース・メディアにおけるデマを防ぐ試みとして「ニュース・プロビナンス・プロジェクト(News Provenence Project)」と呼ぶプロジェクトを開始した。まずは、IBMが開発したブロックチェーンのプラットフォームを使い、写真が本物であることを証明する。

この発表について噂と憶測が飛び交ったのは3月のことだ。「報道機関向けのブロックチェーン・ベースの概念実証」に貢献できる人物をニューヨーク・タイムズ紙が求めている、とコインデスク(CoinDesk)が報じた後のことだった。コインデスクの報道後、ニューヨーク・タイムズ紙はいったん(求人に関する)ブログ投稿を削除したが、明らかに本気だったようだ。新たに投稿されたブログ記事の中で、プロジェクトのサーシャ・コーレン責任者は、ブロックチェーンを利用することで「写真の出所を明らかにし、その写真が公開後に編集されたかどうかを判断する方法を読者に提供します」と説明している。

報道コンテンツの真偽の証明のためにブロックチェーンを使うことは、ブロックチェーン・テクノロジーの可能性を試す応用例だと長らく考えられていた。しかし、これまでのところ、その試みには勢いがない。ニューヨーク・タイムズ紙が魅力的な応用例を開発できれば、現状を変える影響を及ぼすだろう。

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