レンズ付きカメラの収納方法を考える
次の問題はレンズを取り付けた3台のカメラです。レンズを取り付けたまま移動するのは、すぐに撮影や撤収ができるという時短の面と、取材先でカメラは組み立た際のホコリなどがカメラに混入するリスクを減らしたいため。バラバラにすれば大きなスーツケース1個で納まるのですが、そもそも大きなスーツケースが車両に入らないため、小分けすることになります。
カメラバックには、新聞記者が今でも愛用するドンケ(軽くて便利)、テンバ(カメラ機材を大切にカメラマンが愛用)など色々ありますが、筆者が使っているのは近年フリーランスのカメラマンに愛好者の多いthinkTank Photo社の製品。なぜ多いのかはというと、かゆい所に手が届いているというところでしょうか。
その中でメインとして使うのは「Airport Navigator」というローリングバッグ。航空会社のパイロット達が使うフライトケースをモチーフにした背の低いモデルで、天面を開ければそのままカメラが収まるという便利な商品。機内持ち込み可能なローリングバッグということで購入したのですが、これが助手席の足元にピッタリ納まってよい感じです。中敷きを組み替えれば旅行にも使えますので便利。これで標準と望遠のズームレンズを取り付けた2台のカメラとストロボ2個は収納することができました。
大砲であるサンニッパを取り付けたカメラ1台と一脚は、Glass Limoという600mm F4単体、あるいは500mm F4をカメラボディ付きで収納可能なバックパックに収納し助手席へ。シートベルトをするのは、万が一の急ブレーキでの荷崩れ防止と、シートベルト警告が点灯するのを防ぐため。S660のシートベルト警告は他社に比べて結構敏感のようです。
あとは残ったスペースにパソコンやポータブルHDD、充電器等を収納したブリーフケース型のカメラバッグ「Urban Disguise Classic 40」で完成します。このブリーフケースの背面にはローリングバックの取っ手部分が差し込めるスリットがあり、持ち歩く時は一つの荷物として完結します。これでS660に仕事道具一式を収めることができました。
【まとめ】人が持ち歩ける限界値が積載量の目安
このように小分けにしたバッグ3つに、あと1個着替えを入れたトートを入れたあたりがS660の積載量の限界点といえるでしょう。「荷物は可能な限り減らす」という断捨離精神と知恵が、仕事でS660を使うコツです。それ以上積み重ねると左サイドミラーやウインドウが見えなくなります。ローリングタイプを含めたバック3つに三脚とレフ板は、手持ちでなんとか電車移動できる量。つまり、手持ちができる荷物量がS660の積載量ではないかと思っています。
ちなみに屋根を外せばオフィスチェアの名作アーロンチェアや50インチの大型テレビ、サーフボードが積載可能です。ですが道路交通法の第七十一条では「乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行なう等当該車両に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐために必要な措置を講ずること」と明文化されており、ドアは閉まっていても屋根が開いている状態はどう解釈すればいいのだろうと思いつつ、屋根をドアと解釈するならば、これは違法と判断。
なにより屋根から飛び出した状態での運転はかなり危険なので大人しく運送会社に依頼することに。万が一の事故のときに言い訳ができませんので。
いずれにせよ、S660で荷物を運搬する場合は「助手席に人が乗らない」ことが条件になります。では荷物が人に変わった時はどうなるのか……それは今後、ご報告したいと思います。
さて、S660の楽しみは、所有するだけではありません。次回はオーナーとのふれあいについてご紹介したいと思います。
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