Jリーグが3年前に着手したデジタル戦略が少しずつ効果を見せはじめている。J1からJ3まで合計55クラブ共通の基盤となるJリーグID、そして公式アプリのローンチを果たし、スポンサー企業との相乗効果によりチケット売り上げに好影響が出ているケースもあるという
Jリーグデジタルのコミュニケーション戦略部部長の杉本渉氏、そしてパートナー企業の1社であるNTTドコモでスマートライフ推進部 スポーツ&ライブビジネス推進室 室長の馬場浩史氏に話を聞いた。
Jリーグのデジタル化の取り組みは、Jリーグチェアマンを務める村井満氏の下で2015年に策定した重点戦略に基づくもので、まずは2016年に顧客データの整備に着手した。「それまで年間チケットを持っている人、ファンクラブに加入している人は見えていたが、それ以外は見えていなかった。顧客情報はたくさんありデータの形も様々で、それを整備することから開始した」と杉本氏は振り返る。
その結果生まれたのが「JリーグID」だ。チケット購入、オンラインストアなどサービス毎にバラバラだったIDを統一したもので、2017年6月にリリース。オープンIDの形式をとり、メールアドレスのほか、Yahoo! Japan ID、FacebookやTwitter、dアカウント、楽天IDなどでログインできる。裏側ではCRMが動いており、表として公式アプリの「Club J.LEAGUE」を2ヶ月後の2017年8月に公開した。