日本マイクロソフト 執行役員 常務 パートナー事業本部長の高橋美波氏は、同社の前会計年度(2018年7月~2019年6月)のパートナービジネスについて、CSP(クラウドソリューションプロバイダー:マイクロソフトのクラウド販売パートナー)の売上が前年度比116%増加し、同社の法人向け売上に占めるパートナー経由売上の割合が95%に達したとする数字を示した。「今期(2019年6月期)、400社近くのパートナーと連携し、80の業種に特化したソリューションを市場に提供した」(高橋氏)。
2019年6月20日には、富士フイルムと医療分野でのパートナーシップを発表した。富士フイルムは、2019年中にスタートする内視鏡予知保全サービスのクラウド基盤にMicrosoft Azureを採用する。世界中の医療機関に導入されている内視鏡システムの稼働状況をAzureに集約し、使用状況や故障の可能性などを遠隔からモニタリングできるようにする。これにより、「医療機器のメンテナンスの生産性を10倍高めることができる」(富士フイルム R&D統括本部 メディカルシステム開発センター長 兼 メディカルシステム事業部 ITソリューション部長の鍋田敏之氏)と試算する。今後、内視鏡以外の医療機器にも予知保全サービスを展開する予定だ。
富士フイルムは2018年4月に、医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、医療機器の保守サービスに活用できるAI技術ブランド「REiLI」を発表した。前述の内視鏡予知保全サービスにもREiLIのAI技術が使われている。REiLIについて、特にワークフロー支援の領域では、同社独自開発のAIに加えて、マイクロソフトの言語・検索に関するAI技術を活用していく予定だという。