トランプ大統領が来日した今週、米カリフォルニア州ベイエリアの友人が何人も来日していて、東京の警備体制に驚きを隠せずにいたようです。
時を同じくして、なくしものトラッカーTileのCEO、CJ Prober氏も来日し、インタビューする機会がありました。
Tileといえば、本連載の2月の記事で、まとめ買いをした話をご紹介しました。キーホルダーや財布などの持ち物にBluetoothのタグを付けておけば、スマートフォンのアプリから音を鳴らして発見できます。
また、スマートフォンのBluetooth圏外、つまり家や職場以外の場所でなくしたとしても、もし近くに他のTileユーザーがいれば、TileにGPSがなくても現在のありかを知ることができる仕組みで、世界に張り巡らされた探し物コミュニティの構築を急いでいます。
2月の記事の最後で、絶対なくしてはならないモノをなくしてTileに頼る状況は「危機的」という指摘をしました。もしかしたら、日本でTileにGPSがなくても、なくしものを発見できる世界が作られるかもしれません。
そんな期待を高めてくれるインタビューになりました。
GoPro→TileのベテランCEOが取り組む
「なくしものゼロの世界」
Prober氏は2018年にTileのCEOに就任する前は、アクションカメラのGoProでCOOを勤めていた人物です。
Tile CEO就任とともに、米国のケーブルテレビ大手Comcastとの提携を発表し、ケーブルテレビのセットトップボックスをTileに対応させました。またカジュアルな人気ヘッドフォンSkullcandyなどにTile機能を持たせるなど、プラットホームを「面」や「点」で押し広げる戦略を加速させているのが印象的です。
「あらゆるBluetoothデバイスは、簡単なチップやコードでTile対応にすることができます。Tileユーザーが他のユーザーの探し物を助ける『コミュニティ検索』を切り拓いており、その広がりはTileの戦略であり、世界中の人々の助けにも鳴ります」(Prober氏)
人がものをなくすというのは「痛みを伴うこと」とProber氏は指摘します。
確かに自分の行動を振り返ってみても、1年中365日、なんらかの瞬間探し物をしているし、それを減らすようにカバンの中身を整理したり、部屋を片付けたりする対策に講じています。探す時間だけでなく、それを防ぐ片付けにも時間を費やし、見つからないとストレスが溜まるどころか、約束に遅れたり、出かけた先でやりたいことができなかったり。確かに痛みを伴う事態です。
2018年の世界のBluetoothデバイスの出荷台数は40億台。中にはスマートフォンやタブレット、PCなども含まれていますが、これらのすべてがTileに対応する世界になれば、確かに我々の生活は目に見えて変化することになるはずです。
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