VRで表現された身体の状態で心が変化!?
2つ目のセミナーは「自在な心を生み出すインフラとしてのアバタ」という題にて、東京大学大学院情報理工学系研究科 講師 鳴海拓志氏が登壇。
鳴海氏曰く、バーチャル上で身体の状態を変えると、人の気持ちを誘発することができるという。たとえば、リアルタイム画像処理技術を用いて、自身の表情の疑似的変化をフィードバックすることで快・不快情動やそれに基づく判断・行動に影響を与えることができる。
鏡の中の表情をアバターを使って笑顔に変えると、楽しい気持ちになり、悲しい顔にすると悲しい気持ちになる。つまりは、人は身体の状態に心が左右されるとのこと。
これに伴い、お互いが笑顔に見えるビデオチャット環境のブレインストーミングでは、何もしない時に比べて回答数が1.5倍になったという。
さらに鳴海氏は、身体拡張を通じて脳略やコミュニケーションを変化させる工学的手法を「ゴーストエンジニアリング」として研究しているという。たとえば、VRによって天才であるアインシュタインの姿になると、自尊心の低い人の認知課題の成績が向上したとのこと。