表示された映像では、MRヘッドセットの「Microsoft HoloLens」を使っているが、日本の政府もこうした技術をどんどん推進していこうという動きがあるという。通常は脂肪に隠れた血管を見ることはできないが、こうしたアプリだと血管を半透明に見ることができるとのこと。それにより、血管の処置が容易になり、手術時間の短縮、早期の若手育成につながるそうだ。
また、最近では日本でもハイブリッド手術室があり、撮影したばかりのCTスキャンデータを利用し、ほぼリアルタイムと言えるデータで手術に臨める現場もあるという。さらに、手術は実際の患者での練習はできないが、バーチャルデータを用いれば手術の練習も可能としている。
そのほか、歯科口腔も最近はデジタルが普及しているという。スキャンしてデータ化すれば、型を取るコストも軽減できる。
また、杉本氏曰く、これからは動作も重要だという。技術を伝承していかないといけない外科医の動作をスキャンする。そして、そのモデルとなる外科医の姿を模したアバターを用意しておけば、その人が現場に行けない場合でも、遠隔で表示して教育できるというのだ。
そのほか、ひとり暮らしの老人のケアという場では、テレビモニターの遠隔医療ではテレビだと思われるため本音が聞けなかったが、臨場感のあるアバターだと本音を言ってもらえたそうだ。そうしたことで、医療と心をつなぐという結果にもつながったという。
最近は手術の講習会や体験会がVRになっているという。さらに、妊婦さんをスキャンすれば、出産前に子供を見ることもできるとのこと。このように医療の現場では、MRやVRがさまざまな活躍を見せ、今後も発展していくと期待されている。