もう1つの追加モデルはOEM向けの
「Pentium Gold 5405U」
ところでCESでは6製品発表されたが、ここで説明したのは5製品でしかない。あと1つはPentium Goldに新しく「5405U」が追加されている。
Uという型番からわかる通りモバイル向けの、それも省電力モデル(TDPは12.5W)で、パッケージも1528ballのFCBGAなので、これはモバイル製品を製造するOEM向けでリテールにはまず流通しない(どこかのマザーボードメーカーがこれを搭載したMini-ITXボードを出さないとは断言できないが)と思われるため、ロードマップからは割愛した。
以上のことからデスクトップ向けは、この5製品のみが唯一の追加であり、おそらくは9月ないし10月あたりに登場するであろうIce Lakeまでしばく我慢が続くことになる。
そのIce Lakeがどんな構成になるのかは今のところ情報が一切ない。もっとも前回書いた通り、DDR4は最大3733MHzをサポートという話なので、GPUを使わないようなケースではこれが当然CPU性能の改善につながるだろう。
Ice Lakeのアーキテクチャー
Sunny CoveではIPCを改善
ところでIce Lakeそのものはまだ詳細が未発表だが、そのIce LakeのアーキテクチャーであるSunny Coveに関しては昨年12月にArchitecture Dayが開催されて、ここで説明されている。この内容を少し紹介したい。
まず全体のロードマップだが、Core系列ではSunny Coveとそのフォローアップの Willow Cove、そしてGolden Coveが用意され、Atom系列では現時点ではTremontだが、2021年にGracemontが予定されている。
そのSunny Coveのアーキテクチャー概要が下の画像だ。Skylakeから大幅に強化され、ついに同時10命令発行に進化した。ただこの構成そのものは、Xeon向けのSkylake-SPの延長である。
Skylake-SPの場合、AVX512命令を同時に2つ発行できるようにするため、SkylakeコアにAVXユニットを追加し、かつLoad Storeユニットの帯域を倍にするという、わりと無理やりな実装だったのを綺麗に整理し直した形だ。
また、実行ユニットの強化に併せて、1次データキャッシュや2次キャッシュの大容量化、μOpキャッシュの増量などが図られている。
フロントエンド側は図こそないが、下の画像にあるようについに命令デコードが5命令/サイクルに強化されているほか、分岐予測も「accuracy improvements」とあるので、おそらく既存のものに加えて他のものも搭載されたようだ。
IPCの改善がSunny Cove(を搭載したIce Lake)では実現されているようで、あとは動作周波数や消費電力がどのあたりに落ち着いてくれるのか次第、というあたりである。
おそらくCOMPUTEXのタイミングでいろいろ発表があると思うので、これをまってロードマップのアップデートをまた行ないたい。
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