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ビットコイン取引の95%が「ウソ」、取引所が人気装う

Mike Orcutt

2019年04月02日 07時55分更新

記事提供:MIT Technology Review

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ここのところ、ビットコイン市場に対して、過剰な取引が疑われている。事実、ビットコインのETF(上場投資信託)はいくつか提案されているが、市場操作の疑いがあるため規制当局はこれらの承認を渋っている。こうした状況にビットコイン愛好家の多くは失望している。ゆくゆくはETFが承認され、それが起爆剤となり、投資家がビットコインのテクノロジーを広く採用すると信じているからだ。

しかし、皮肉なことに、ETFの上場を希望しているある企業が、米国の金融規制当局に対して、ビットコインの取引量の約95%が取引所によって偽装されていると報告した。

暗号資産管理企業のビットワイズ(Bitwise)が81カ所の取引所を分析したところ、そのうちの71カ所から虚偽の取引を反映するパターンが示された。取引を操作する方法の1つに、仮装売買と呼ばれる手口がある。仮装売買とは、同一人物が同じ資産に対して同時に売買をするものだ。分析対象の取引所から報告された3月の4日間の取引を合計すると、1日あたりの取引高は60億ドルになるが、ビットワイズによる分析では、そのうち実質的な取引はわずか2億7300万ドルだという。

ビットワイズのマシュー・ホーガン国際調査部長はウォール・ストリート・ジャーナル紙に対して、分析結果を提出した目的は、虚偽の取引があふれているということよりも「ビットコインの本当の市場」がまだ存在するということを金融当局に示すためだと話した。また、この主張の確かな証拠は、取引データが本物であることを実証できる取引所がわずかながらも存在することだと語っている。仮にETFが承認されれば、ビットワイズのファンドはこうした取引所の取引高に基づくことになる。しかしその取引高は、一般に報告されている量のわずか5%ほどでしかない。

取引所が不誠実にも取引高を膨らませているのはなぜか? 動機の1つは、多くの取引を促進している取引所への上場を望んでいる新規暗号通貨公開(ICO)プロジェクトを呼び込みたいということだろう。取引所の中にはICOプロジェクトの上場に、数百万ドルもの手数料を徴収すところがある。

この分析結果には、少なくとも重要な点が2つある。1つはビットコインの取引市場の本当の規模は、広く伝えられているものよりも1桁小さいということだ。世の中の主流としてビットコインの採用を期待していた人は、残念に感じたかもしれない。しかし一方で、誠実に運営している取引所に的を絞れば、規制当局の考えを変えることができ、最終的にETFが承認されるかもしれない。ビットワイズの気が滅入るような分析のおかげで、愛好家が期待しているようなビットコインの普及が促進されるかもしれない。

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