「試用期間が終わると高額請求」というワナ
便利なアプリがある一方で、悪質なアプリもある……というのはよく言われること。セキュリティベンダーも目を光らせている昨今、あまりにうさんくさいアプリには、誰しも警戒するものだ。
しかし、中には悪知恵をしぼる人間もいる。マカフィーが発見した2つのアプリ、「Voice recorder free」「Zip File Reader」は、試用期間が終わると高額な請求が始まるという手法を用いている。
いずれのアプリも、ユーザーがインストールすると「無料試用版」を使用するか「今すぐ支払う」かを選べる。試用版を選択すると、試用期間が終了した際のクレジットカード情報を入力するための購読ページが表示される。ここまでの流れには、何の問題もないように思える。
しかし、試用期間が終了すると、「Voice recorder free」は月額242ドル(およそ2万6600円)、「Zip File Reader」は週160ドル(およそ1万7600円)という、スマホアプリとは思えないほどの高額請求を開始するのだ。
厳密には違法ではないが、使用をキャンセルするのを忘れる可能性があるユーザーから、ずるがしこく利益を得ようとする詐欺的な手法といえるだろう。
アプリをインストールするときの
リテラシーが求められる
スマホにやっかいなアプリをダウンロードしないためにはどうしたらよいか。公式のアプリストアを利用する(非公式のアプリマーケットは利用を控える)うえで、不自然なアプリ名称、詳しくないアプリ説明、ユーザーレビューがない……など、あやしく思えたならダウンロードを控えたほうがよいだろう。
ただ、無料アプリには、(内容はともかく)大量のダウンロードの実績がある場合も多い。アプリをダウンロードするまえに、しっかりレビューを確認し、無料トライアルでアプリをインストールすることにした場合でも、試用期間が終了したらいくらかかるかのは確認しておきたい。
「有名なアプリがスマホに移植された」という場合、疑わしいアプリを見つけたら、公式の情報をチェックしてみるのも手だ。モバイル版へのリンクが用意されていたり、対応している端末について紹介していたりするはずだ。もちろん、スマートフォンやタブレットには、セキュリティソフトをインストールしておくことも重要といえる。
アプリをインストールするときは、一呼吸置いて、あやしいアプリかどうかをしっかりと確認するリテラシーが必要だ。今回はMcAfee Blogの記事「無料のAndroidアプリの試用期間後に要注意」を紹介しよう。(せきゅラボ)
※以下はMcAfee Blogからの転載となります。
無料のAndroidアプリの試用期間後に要注意:McAfee Blog
無料アプリはユーザーにとって魅力的です。それらは1セントもかかりませんし、ユーザーが外出先で急な用事を済ませるのに役立つ場合もあります。ただし、ユーザーは自分のデバイスにアプリをインストールする前に注意を払う必要があります。マカフィーの研究者たちは、音声録音やzipファイルを開くといった基本的なツール機能を使用するために非常に高額なサービスプランへユーザーをサインアップさせることを試みる非常に欺瞞的なAndroidアプリを確認しました。
問題になっている2つのアプリ、「Voice recorder free」と「Zip File Reader」は合わせて60万回以上ダウンロードされています。一見したところでは、ユーザーはこれらが評判の良いアプリであると思ってしまうかもしれません。一旦ユーザーがインストールすると、「無料試用版」を使用するか「今すぐ支払う」オプションを提供します。ユーザーが試用版を選択すると、3日間に試用期間が終了した際のクレジットカード情報を入力するための購読ページが表示されます。しかし、試用期間が終了すると、これらのアプリは途方もなく高い金額を請求します。「Voice recorder free」は月額242ドル、「Zip File Reader」は週160ドルです。(※アプリでは£表示)
これらのアプリをダウンロードして無料試用期間後にそれらを削除したユーザーは、アプリをアンインストールするだけでは課金がキャンセルされないため驚くかもしれません。これは技術的に違法ではありませんが、無料のトライアルをキャンセルするのを忘れる可能性がある消費者から簡単に利益を得ようとするためにアプリ開発者が使用しているのは詐欺的な戦術です。
このような詐欺的なスキームの犠牲になることを避けるためにユーザーができることがいくつかあります。無料アプリのダウンロードに関しては、次の点に注意してください。
用心深く、アプリのレビューに目を通す
アプリに大量のダウンロードの実績がある場合でも、デバイスに何かをダウンロードする前に必ずレビューに目を通しましょう。
細かい活字を読む
無料トライアルでアプリをインストールすることにした場合は、サブスクリプションを維持する場合に課金される料金(週単位や月単位)を必ず理解してください。小さなフォントで記載された文字でもきちんと確認しましょう。機能に見合った金額か、無料の使用期間は何日かなど確認してください。
アプリを無効にすることを忘れずに
あなたが検索したり調査した結果、評判の良い無料アプリを見つけインストールしたら、試用期間が終了する時点で継続の可否を判断し、もし継続しない場合には、課金をキャンセルすることを忘れないようにしてください。アンインストールするだけでは停止されません。無効化、一時停止、変更については、Google Playのヘルプセンターをご覧ください。
そしてもちろん、最新のコンシューマおよびモバイルセキュリティの脅威を常に配慮することも重要です。そのためにはTwitterやニュースなどを確認することをお勧めします。
※本ページの内容は、2019年3月13日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容です。
原文:Basic Android Apps Are Charging High Subscription Fees With Deceptive Tactics
著者:Gary Davis and Oliver Devane
※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。
■関連サイト