モビリティ、セキュリティ、生産性のすべての妥協しない次世代業務PC
Windows 10 IoTで実現するVAIOの"ハイスペック・シンクライアント端末"
働き方改革が浸透する中で、今、ハイスペックなシンクライアント端末が注目を集めている。最新の2-in-1 PCやノートPCに専用機向けOS「Windows 10 IoT Enterprise」を採用し、シンクライアントならではのセキュリティを担保しつつ業務の生産性を高めている。今回は、Windows 10 IoT搭載PCをB2B向けに販売するVAIOに話をうかがい、その魅力を探った。
生産性を犠牲にしないシンクライアント端末の需要が拡大
政府が推進する働き方改革により、多くの企業が、これまで社内でしかできなかった様々な業務を在宅ワークやモバイルワーク環境で可能にしようと動きだしている。企業のオフィスにある業務PCといえば、VGAポートやLANポートを備えた15インチクラスのA4ノートPCが多い。生産性は高いが重いので、これをリモートワーク用に持ち歩こうと考える人はいなかった。リモートワーク用途には、業務情報が外部に漏れるリスクを懸念して、ハードディスクを搭載しない最小限の機能のみを備えた「シンクライアント端末」を配布するケースが多かった。
しかし、リモートワークをする職種が広がるにつれ、「オフィスで使っているようなハイスペックな端末をリモートワーク用途にシンクライアント化したいという需要が高まってきた」(VAIO 技術営業課 課長 西澤良太郎氏)。そこでVAIOが打ち出したのが、2-in-1型PCの最新機種「VAIO Pro PA」および14インチPCの最新機種「VAIO Pro PK」に、専用機向けOS「Windows 10 IoT Enterprise」を搭載した“ハイスペック・シンクライアント端末”だ。
生産性を犠牲にせず、Windows 10 IoT Enterpriseの独自機能によってローカルへのデータ保存やUSBポートの利用を制御するといった従来のシンクライアントの運用を可能にしている。さらに、快適なモバイルワークのために、軽さと、モバイル通信環境から社内ネットワークへの接続性を追求した。2つの端末の特徴をみていこう。
各種ポートをフル装備したVAIOの法人向け最新機種
VAIO Pro PA(一般向けの製品名はVAIO A12)は、2018年11月発売の2-in-1型PCだ。一般的に2-in-1型はディスプレイ側にCPUやバッテリーを内蔵しているため、どうしてもキーボードとのバランスを損ねてしまう。そこでVAIO Pro PAは、ヒンジ部に一工夫。新開発の「スタビライザーフラップ」と独自の脱着機構により、膝上で使え、一般的なクラムシェル型PCと遜色ないバランスと軽さを両立させた。さらに、2-in-1型では珍しく、キーボードユニット側にVGAやLANなどの各種ポートをフル装備している。「プロジェクターの入力端子がVGAのみというケースや、有線LAN経由でないと社内ネットワークに接続させないといった、法人顧客のニーズに対応した」(西澤氏)という。
2019年1月に発売したVAIO Pro PK(一般向けの製品名はVAIO SX14)は、14インチの狭額縁が特徴のノートPC。こちらも各種ポートをフル装備し、一見それなりの重量がありそうな外観だが、本体素材にカーボンを採用することでなんと最軽量構成時で約999グラムという超軽量化を実現している。「毎日持ち歩くリモートワーク用PCは数十グラムの差が大きい。開発にあたって、営業サイドから1キログラムを切ることを強くお願いした」とVAIO 国内営業本部 第一営業部 部長 宮本琢也氏はこだわりを語った。PKシリーズはフルHDに加えて4Kディスプレイも選択できるので、作業効率にこだわる企業にとっては魅力的な選択肢になるだろう。
LTEモジュール搭載、PCを開いたらすぐにモバイルワーク開始
外出先でリモートワークをしようとPCを開いた際、ネットワーク接続のひと手間をストレスに感じることはないだろうか。VAIOの法人向けラインナップは、殆どすべてのモデルが国内通信網に最適化したSIMフリーLTEモジュールを選択できる。もちろん最新機種のVAIO Pro PAとVAIO Pro PKもLTEのSIMスロットを備えており、外出先でWi-Fiアクセスポイントを探したり、Wi-Fiルーターを起動したりする手間なく、快適な通信環境下ですぐにリモートワークが可能だ。
西澤氏は、「VAIO Pro PAとVAIO Pro PKは国内3大キャリアのSIMに対応している。またVAIO Secure SIMを使えば、シンクライアントアプリのHorizon(VMware)やVirtual Desktops(Citrix)とサーバー間のネットワークをVPNで保護できる」と説明した。同社は、PC紛失時に遠隔操作でデータ消去や位置情報の取得、リモートロックを行う「TRUST DELETE Biz for VAIO PC」も合わせて提供している。
最新VAIOの性能をそのままにシンクライアント化
使い勝手の向上と軽量化にこだわった設計、生産性を高めるディスプレイの選択肢とネットワーク接続性――。VAIOでは、このような魅力的な性能はそのままに、Windows 10 IoT Enterpriseでシンクライアント化した製品を提供している。ネットワーク接続が必須のシンクライアントPCにおいて、Wi-Fiルーターいらずで通信可能なVAIO Pro PAとVAIO Pro PKは、ユーザビリティと資産管理いずれの面においても導入メリットがあるだろう。
シンクライアント化したVAIO Pro PA、VAIO Pro PKでは、Windows 10 IoT Enterpriseが備えるロックダウン機能の1つ「UWF(統合書き込みフィルター)」によって、ローカルに業務データを保存しないセキュアな環境を実現できる。USBポートへのアクセス制限や、AppLockerを使ってシンクライアントアプリのみを実行できる環境を望む顧客も少なくないと西澤氏はいう。
VAIOでは、Windows 10 IoT Enterpriseの各種設定、シンクライアントアプリのインストールや設定を事前に行うキッティングサービスを提供している。「顧客の要望に応じて、Office 365や希望のアプリを準備し、届いたらすぐに使えるように対応している。さらに、破損にも対応する保守サービス、リプレース時にデータを消去してリース会社へ返却するサービスなど、“ゆりかごから墓場まで”の法人向けサービスを展開している」(西澤氏)。
2020年1月のWindows 7のサポート終了を前に、PCリプレースの駆け込み需要が高まっているが、「PCリプレースのスケジュールが大変な中、複雑なシンクライアント環境の動作検証が加わり、台数分環境を整えて配布することは非常に工数がかかってしまう。その際にはVAIOのキッティングサービスをご利用いただければお客様の環境にして納品するので、配布時にすぐご利用になれる」(宮本氏)。
Windows 7とWindows 10の操作は似て非なる部分が多い。また、Windows 10 IoT Enterprise搭載シンクライアントは一般向けには販売されていないのでなかなか触れる機会がない。そこでVAIOでは、法人向けにWindows 10 IoT Enterpriseでシンクライアント化したVAIO Proシリーズを無償で貸し出しするサービスを展開している。「貸し出し台数に制限はあるものの、実際にシンクライアントアプリを試せるので非常に喜ばれている」と西澤氏。何よりも、「実際にVAIOの最新機種を手に持っていただくと、その軽さとデザインに感動して“新しく導入するならVAIOがいい”と言ってもらえる。情シス部門の検証目的に加えて、社内での波状効果を狙っている」(西澤氏)という。
(提供:菱洋エレクトロ)
この特集の記事
この記事の編集者は以下の記事もオススメしています
-
TECH
顧客目線で選ぶとOSはWindows 10 IoTだった――「Endeavor JN40」で構築するPOSレジ -
TECH
なぜ街中に「Windows 10 IoT」があふれているのか -
デジタル
なぜVAIOは組み込み向けWindowsを、自社製品に取り入れたのか -
ビジネス
Windows 10 IoT Enterpriseと通常版の違い、導入の注意点は? -
PC
話題の「Windows 10 IoT」とは? -
PC
"ラズパイ"で「Windows 10 IoT Core」を動かす その1 -
TECH
様々な業務課題を「Windows 10 IoT」で解決! -
デジタル
VAIO、シンクライアント端末としてのVAIO PC「ThinBoot ZERO Type V」の提供を開始