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2機のジェット機の超音速の瞬間をNASAが初撮影

2019年03月08日 14時33分更新

文● Charlotte Jee

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飛行中に生じる衝撃波が相互作用する様子を初めて捉えたこの写真の撮影には、完璧なタイミングとパイロットによる冷静な飛行が必要だった。

この写真は、2機の超音速ジェット機が同時に音の壁を破る瞬間を捉えている。衝撃波は、飛行機が音速を超えて飛行する際の急激な圧力変化により引き起こされる。元々白黒写真として撮影されたが、ここに掲載されている写真は、それに色を付けた合成写真だ。

この写真を撮影するには、3機の航空機がすべて適切なタイミングで適切な場所を飛行する必要があった。米国航空宇宙局(NASA)の双発ターボプロップ機「ビーチクラフト スーパーキングエア」が約9000メートル上空を飛行する間、2機の「ノースロップ T-38タロン(T-38 Talon)」訓練機がそのわずか約600メートル下を飛行し、まさにぴったりのタイミングで音速を超えた。スーパーキングエアは、毎秒1400フレームの撮影が可能な画像システムを搭載し、シュリーレン撮影法として知られる手法を用いてこの写真を撮影した。

「これほど鮮明で美しい写真を撮影できるとは夢にも思いませんでした」とNASAの科学者であるJT・ヘイネックは述べた。「写真の仕上がりに心から満足しています」

非常に美しい写真だが、そこには、NASAの最新のXプレーン(実験機)となる「X-59 QueSST(クワイエット・スーパーソニック・テクノロジー)」の設計に役立つデータを収集するという真剣な目的がある。NASAは、ソニックブーム(超音速飛行に伴う轟音)を低減させることで、陸上での超音速飛行に対する制限を迂回できるようになるかもしれないと期待している。

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