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5万円以下で買えるAcerの高機能ゲーミングディスプレー「KG1」シリーズの実力とは?

2019年02月20日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●ジサトラショータ

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 「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」や「フォートナイト」といった、いわゆるeスポーツ系のタイトルをプレイしているユーザーにとって、液晶ディスプレーのリフレッシュレートや応答速度は非常に重要なファクターとなる。日本エイサーから発売されているゲーミング向けディスプレー「KG1」シリーズは、そういった需要にマッチした製品で、リフレッシュレートは75~144Hz、応答速度は1.0ms切り。まさに一瞬が勝敗を分けるゲームをプレイするうえで、非常に魅力的なモデルがラインアップに揃っている。

KG1シリーズのラインアップ
型番応答速度最大リフレッシュレート実売価格
KG271Fbmiipx0.8 ms(GtG)240 Hz4万6000円前後
KG271Ebmidpx0.8 ms(GtG)144 Hz3万5000円前後
KG271Dbmiix0.6 ms(GtG)75 Hz2万1000円前後
KG251QIbmiipx0.5 ms(GtG)240 Hz3万8000円前後
KG251QHbmidpx0.6 ms (GtG)144 Hz2万7000円前後
KG251QGbmiix0.7 ms(GtG)75 Hz1万7000円前後
KG241QAbiip0.6 ms(GtG)144 Hz2万5000円前後

 画面サイズやリフレッシュレートごとにいくつかのモデルがあるわけだが、今回はそのKG1シリーズの中から、27インチの「KG271Fbmiipx」と23.6インチの「KG241QAbiip」を取り上げ、どういった特徴があるのか詳しく見ていきたい。

最上位モデルはリフレッシュレート240Hzに対応
保証範囲外の動作ながらもG-SYNCが利用可能

日本エイサー「KG271Fbmiipx」。実売価格は4万6000円前後

 まずは、KG271Fbmiipxから紹介していく。本製品はKG1シリーズの最上位に置かれるモデルで、リフレッシュレートは現状最高レベルの240Hzをサポート。一般的なディスプレーではリフレッシュレートが60Hzのものが多いが、このKG271Fbmiipxはその4倍の高リフレッシュレートを誇り、ハイエンドゲーミングPCを使った高フレームレートの描画もスキップすることなく表示可能だ。また、応答速度は0.8ms(GTG)と1msを切っており、こちらも見逃せないポイントとなる。

 液晶パネルには光沢のないノングレアのTNタイプを採用。一般的にTN方式はIPS方式に比べて視野角が狭いと言われるが、KG271Fbmiipxは水平170度、垂直160度の視野角を誇り、実際に左右から画面をのぞき込んでも色むらなどは確認できなかった。なお、画面解像度はフルHD、つまり1920×1080ドットまでの対応となる。

 コントラスト比は1000:1で、ACM(Adaptive Contrast Management)を利用すると、最大で1億:1にまで達し、輝度も400cd/㎡と比較的明るめということもあり、かなり明暗がくっきりした映像表示を実現している。これだけ明るい画面でゲームをプレイしていると、若干目に疲れを感じることもあると思うが、本製品では眼精疲労を引き起こす要因といわれるフリッカーを抑える「フリッカーレス・テクノロジー」や、ブルーライトを軽減する「ブルーライトシールド」も搭載されているため、長時間のプレイでも疲労を軽減してくれる。

 外観は黒を基調にパネル下部と台座に赤色のアクセントをあしらった落ち着いたデザイン。さらに、フレームレスデザインを採用することで、液晶パネルの左右のフレームは実測で8mmほどと非常に薄く、モニターを複数枚並べて利用する際でも、境目が気にならない点がうれしい。

高さ調整はできないものの、上15度下5度のチルト角調整は可能になっている

両サイドのフレームの厚さは実測でわずか8mmほど。マルチディスプレイ環境で境目を気にならない薄さだ

映像入力インターフェースはHDMI 2.0を2つに、DisplayPort 1.2を1つ装備。PCだけでなくゲーム機器やテレビチューナーを接続して活用することが可能だ

 さらに、OSDメニューにはユーザーの利用する環境に合わせて、「アクション」「レース」「スポーツ」「ユーザー」「標準」「エコ」「グラフィック」「HDR」と8つの映像モードからなる「Gameモード」を搭載。とくに、画質向上が図れるHDRの設定を、このGameモードから簡単に適用できる点はかなり魅力的だ。そのほか、黒の強弱を10段階で調整する「ブラック・ブースト」機能を搭載。このブラック・ブーストを利用して黒の表示を弱め、暗がりでの視認性を向上させることで、FPSタイトルの視認性が悪いステージなどでも十分な視界を確保できる。また、ユニークなものとして画面中央に照準点を表示する機能を搭載。エイムの補助に使用してみるのもいいだろう。

OSDの操作は右背面に用意された3つのボタンとスティックボタンで行う。背面だが、スティックボタンの操作性は上々だ

Gameモードとして10個の映像モードを搭載。それぞれ、輝度や明るさなどが変更されており、それぞれのシーンで最も画面が映える設定が用意されている

画質調整のサブメニューに用意されたブラックブーストという項目から、0~10の10段階に黒の強弱を設定することが可能

 なお、KG271FbmiipxはAMDのディスプレー同期技術である「FreeSync」をサポートしており、画面描画と液晶の更新タイミングのズレによって起こる「テアリング」や「スタッター」といった画面のチラつき・カクつきを抑えることが可能だ。なお、NVIDIAは今年に入ってから、FreeSync対応ディスプレーで「G-SYNC」が利用できる「G-SYNC Compatible Monitors」プログラムを開始しているが、このKG271Fbmiipxはそのプラグラムの認可をまだ受けていない。しかし、非認証製品でもNVIDIAの対応ドライバーさえインストールすれば機能を有効にすることは可能であり、実際に本製品でもG-SYNCを利用することができた。長時間の検証などは行っていないうえ、今のところ保証外の動作になってしまい、不具合が起きても自己責任となるが、曲がりなりにもG-SYNCが利用できるのはゲーマーにとってかなり魅力的だろう。

FreeSyncはゲーミングのサブメニューに用意された項目からオンに設定することで利用可能となる

GeForce RTX 2080搭載PCとKG271Fbmiipxを接続してみたところ、G-SYNCを有効にすることができた

3万円以下で144Hz対応が特徴の24インチモデル

「KG241QAbiip」。実売価格は2万5000円前後。OSD操作用のボタンは前面からアクセスできる

 一方の23.6型となるKG241QAbiipは、リフレッシュレートは144Hzまでの対応となるが、応答速度は0.6ms(GTG)と、前述のKG271Fbmiipx以上の高速性を誇る製品である。こちらも、液晶パネルにはTN方式のノングレアタイプを採用し、解像度は1920×1080ドットまで対応する。水平170度垂直160度の視野角や、コントラスト比が1000:1(AMC利用時最大1億:1)である点、さらに輝度が300cd/㎡である点などはKG271Fbmiipxを踏襲しており、小さくても最上位モデルに引けを取らない品質を誇っている。

こちらも高さ調節は用意されていないものの、上15度下5度のチルト角調整が可能だ

映像入力インターフェースは、HDMI 2.0×2にDisplayPort 1.2×1という構成で、この点も上位モデルであるKG271Fbmiipxの仕様を踏襲している

なお、どちらのモデルも背面にはVESAマウント対応の接続穴がある

 また、こちらもフリッカーレス・テクノロジーやブルーライトシールド、Gameモードやブラック・ブースト機能なども変わりなく搭載され、機能性も申し分ない。さらに、KG241QAbiipもFreeSyncをサポートしており、KG271Fbmiipxと同様に、ユーザーの自己責任にはなるが、G-SYNCが利用できたことを付け加えておく。

eスポーツタイトル向けのディスプレー
コストパフォーマンスの高さは抜群

 /以上のように、KG271FbmiipxとKG241QAbiipは、ゲーミングディスプレーらしくかなり高速性に尖ったモデルであると言える。両製品ともに解像度はフルHDまでの対応であるという点をどう捉えるかだが、冒頭で述べたように、eスポーツタイトルを楽しむユーザーはフルHDでフレームレートを稼ぐというプレイスタイルの人が多い。そういった人にとっては、かなり食指が動くモニターではないだろうか。

 価格もKG271Fbmiipxが5万円前後、KG241QAbiipが2万7000円前後と非常にお買い得感が高く、コストパフォーマンスは抜群だ。FPSやTPSにおいて強さを求めるのであれば、一瞬のスキも見逃さずに有利に立ち回れるようになる高リフレッシュレート、高速応答のKG1シリーズはかなりオススメだ。

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