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小型でデザインにもこだわり、リビングにさりげなく置きたい

電源以外が完全ワイヤレスなHi-Fiスピーカー、KEF「LSX」

2019年02月13日 19時30分更新

文● ASCII

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 KEF JAPANは2月13日、ハイレゾ対応のフルワイヤレススピーカー「LSX」の国内販売を開始すると発表した。プレーヤーとの接続に使うケーブルだけでなく、左右のスピーカーをつなぐケーブルもなしで利用できる製品。デザイン性に加え、設置のしやすさを訴求している。

独特な外観、色や質感に関してもこだわり

 デザインはイギリスを代表するデザイナーであるマイケル・ヤング氏が監修。5色のカラーバリエーションを用意する。グロスホワイトを除く4色(マルーンレッド、デニムブルー、ブラック、オリーブ)は、高級家具を多く手掛ける、デンマークのクヴァドラ(Kvadrat)社製の布地を側面にあしらっている。筐体色に合った布地を選択するのはもちろん、自社開発という利点を生かし、ユニットの色も変えるという念の入れようだ。

マイケル・ヤング氏のサインが見える

ファブリック素材を使った質感は、リビングにも溶け込みやすいだろう

 なお、5色のうちオリーブは、マイケル・ヤング氏の署名をあしらった限定モデルという位置づけになっている。

位相特性に優れ、定位も明確な同軸ドライバーの採用が特徴

 イギリスのKEFは、BBC(英国放送協会)の電気技術者だったレイモンド・クック氏が1961年に設立したブランド。過去には、BBCで使うモニタースピーカーとして設計され、各社がライセンス製造した「LS3/5A」のユニット供給も手掛けていた。ユニットの設計/製造から組み立てまで自社で一貫して手掛けられる。

ロジャースやスターリングなど、様々な企業がライセンスを受けて製造したLS3/5A。いまでもヴィンテージ品の人気は高く、復刻版的な位置づけの新製品も開発&販売されているが、もともとのユニットはKEFが供給していた。

 技術面での特徴は「Uni-Qドライバー」だ。ウーファーとツィーターを同軸上に配置した2ウェイユニットで、1988年に第1世代が登場して以降、約30年間・12世代に渡って改良を続けてきた。LSXが搭載するUni-Qドライバーは専用開発したもので、直径115mmのマグネシウム/アルミ製ウーファーと、直径19mmのアルミドームツィーターを組み合わせたものとなる。低音伸長モードでは、49Hz~47kHz(±6dB)までの再生が可能だ。

左奥がLS50 Wireless。写真ではそれほど差を感じないかもしれないが、幅200×奥行き308×高さ300mmと大きく、重量も10㎏前後ある。LSXと比べるとやや大げさな感じもある。

 KEFは無線対応のアクティブスピーカーとして、「LS50 Wireless」を販売中だが、ブックシェルフスピーカーとしては、大きめのサイズで、奥行きなども必要だった。一方のLSXは、横から見るとB5サイズ程度であり、机上設置はもちろん、本棚などに収納して片づけることもできる。筐体を小型化した関係で、Uni-Qドライバーの口径はLS50 Wirelessよりも小さく、アンプ出力(70W+30Wのバイアンプ構成)も抑えているが、SpotifyやRoonなどに対応したネットワーク再生機能や、DSPを使った位相補正など、機能面では大きな差がない。

DSP処理で部屋に最適な再生を

 本体には、2.4GHzおよび5GHzのWi-Fi接続機能(IEEE 802.11a/b/g/n)、aptXコーデック対応のBluetooth 4.0接続機能などに加え、光デジタル入力(TOSLINK)、3.5mmステレオ入力、サブウーファー出力、Amazon Echoなどとの接続を想定したUSB給電機能(5V/2A)を備える。実機では、パソコンなどを接続するためのUSB入力端子は確認できなかった。

オリーブはマスター側、ホワイトはスレーブ側の背面

 左右を無線でつないだ場合は最大48kHz/24bit、付属のLANケーブルで有線接続した場合は、最大96kHz/24bitの伝送ができる。アップルの「AirPlay 2」を使用したワイヤレス&マルチルーム再生も可能だ。小型とはいえ、堂々とした鳴りっぷりなので、デスクトップ再生からリビングルームでの再生まで幅広い活用ができそうだ。

 iOS/Androidに対応した専用アプリ「KEF Control APP」と内蔵のDSPを組み合わせ、再生する部屋の環境(壁からの距離や広さなど)に合わせた調整ができる点も特徴だ。再生モードは低域伸長モード、スタンダード、低音制御モードの3種類が選べるほか、サブウーファー使用時のクロスオーバー調整なども可能になる。

 また「KEF Stream APP」を使えば、Spotifyからのストリーミング再生に加え、NASに保存した楽曲の再生もできる。

 発売は4月初旬を予定。価格はグロスホワイトがペア14万8000円(税抜)、マルーンレッド/デニムブルー/ブラックが16万8000円(税抜)、オリーブが19万8000円(税抜)。本体サイズは幅155×奥行き180×高さ240mmで、重量は3.6kg(マスター側)/3.5kg(スレーブ側)となる。

ネジが外から見えない構造もデザイン上のこだわり。底面のデザインも手を抜いていない。

 専用スタンドなどは用意していないが、底面に三脚穴があるため、天吊りなども含め、設置の自由度は高そうだ。

 KEF JAPANは、LSXの発売に先立ち、東京・有楽町にあるショールーム「KEF MUSIC GALLERY」などで実機を展示するほか、東京・有明に今春、事前予約制の試聴室「KEF MUSIC LAB」を開設する予定だ。

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