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暗号通貨ハッキング事件、2大ハッカーグループが6割に関与か

2019年01月29日 12時29分更新

文● Mike Orcutt

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近年発生したオンライン取引における10億ドル相当の暗号通貨盗難事件の背後には、巧妙なサイバー犯罪者の2つのグループが関与しているようだ。

ブロックチェーン分析会社のチェインアナリシス(Chainalysis)は、盗難されたと考えられる資金を約3カ月にわたって追跡調査した。その結果、盗難資金の多くが、「アルファ」と「ベータ」と名付けられた2つのグループと関連することが分かった。チェインアナリシスの分析が正しければ、2グループは公表されている暗号通貨盗難の60%に関与していることになる。

チェインアナリシスによるとアルファは、「厳重にコントロールされた巨大組織で、少なくとも一部は金銭以外の目的で犯行に及んだのではないか」との疑いをかけられている。一方ベータは、「アルファよりも組織性が低く、小さな組織で、間違いなく金銭を目的としていた」と見られている。

チェインアナリシスがウォール・ストリート・ジャーナル紙に語ったところによると、アルファとベータはともに広範な暗号通貨ウォレットのネットワークを利用して経路を広げ、現金化するまでに盗難資金を平均5000回送金している。アルファはハッキング直後に入念なプロセスを開始する傾向にある一方、ベータはハッキングに関する世間の注目が消えていくまで資金を寝かせたままにしている。

暗号通貨産業、とりわけ暗号通貨取引所には規制当局によるますます徹底した検査が実施されるようになっており、規制当局は顧客資金を安心して任せることはまだできないとしている。こうした結論は、今回明らかになったことでも裏付けられる(「ビットコインは「マネロンの温床」の汚名を返上できるか」参照)。

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