――組織委員会は解散を前提に活動していますが、何を残したいとお考えですか?
本田 「誰が」残したいのかの視点で見てみると、大きくは、「日本ラグビー協会」と「開催都市の自治体」の2者があると思います。
1者目の日本ラグビー協会は、日本のラグビー界といってもいいでしょう。日本ラグビー協会の中には関東、関西、九州の3つの支部があり、これらには専属の職員がいます。47の都道府県レベルでも協会がありますが、法人格や任意団体など形態はさまざまです。市レベルで編成している地域もあります。また、ジャパンラグビートップリーグに参加しているチーム、ラグビースクールなどでラグビーに関わっている人がいます。このようなラグビー界、特にその統括をしている日本ラグビー協会がこの大会を契機に何かを残したいと思っています。
2者目は開催都市の自治体で、今回のラグビーW杯では19の自治体がそれぞれの負担をしながら、ラグビーW杯開催に参加いただいています。参加の意味や目的はそれぞれで、それを達成しなければならない。目的の1つが、”この大会に参加したことでこんなことが生まれた”、あるいは”こういうことにつながった”という”レガシー”でしょう。
我々は2者のお手伝いをします。我々自身は解散するので我々自身には何も残さない、というのが基本的な姿勢です。
――2者が何かを残すために、組織委員会はどのようなサポートをしているのでしょうか?
本田 開催権を有するのは日本ラグビー協会ですが、開催準備業務は我々組織委員会と開催自治体が行ないます。通常、開催自治体とのコミュニケーションに日本ラグビー協会は入っていないので、組織委員会が全体のコーディネート役として、触媒あるいは潤滑油になりながら日本ラグビー協会と開催自治体という2者の連携をサポートします。
私自身はJRFU連携・レガシー局に属しており、開催都市よりの立ち位置で活動するレガシー部の部長を務めています。同じ局の中にはラグビー協会よりの活動をしている人もおり、立ち位置を分けながら分担しています。