本連載も2018年最後の回となった。スマートフォン市場はこのところ明るいニュースが少なく、全体ではマイナス成長。年末商戦の結果はまだだが、暗い年と言っていいだろう。今回はIDCの2018年第3四半期のデータから見てみたい。
世界シェア2位の座を安定させるファーウェイ
世界のスマートフォン市場は縮小傾向が続いている。調査会社IDCの2018年第3四半期(7~9月期)のデータによると、出荷されたスマートフォンは3億5520万台。これは前年同期比6%のマイナスで、前年同期比マイナスは4四半期続いたことになる。
年末商戦を控えたという点で地味な四半期かもしれないが、アップルは例年どおりに3機種のiPhoneを発表し、iPhone XSおよびXS Maxは発売されている。サムスン「Galaxy Note9」などの新機種もあったが、前年同期を超える盛り上がりはなかった。
ベンダー別のシェアを見ると、首位のサムスンが苦しそうだ。サムスンの出荷台数は前年同期比13.4%減少と大きく落ち込んでいる。IDCは2位に詰め寄るファーウェイ、インドなど成長市場での中国ベンダーなど「全方位的にプレッシャーがかかっている」と分析している。
2位は2四半期連続でシェア2位のファーウェイ。ハイエンドのPシリーズ、大画面のMateシリーズ、安価ラインのHonorシリーズなど全体的に好調だという。シェア値こそ前四半期(2018年第2四半期)の15.9%から1.3ポイント下回る14.6%だが、それでも前四半期からの増加率という点では、上位5社の中で最大の32.9%増となっている。
ファーウェイといえば、通信インフラ製品の米国によると締め出しが大きく報じられているが、そもそも端末は米国ではほとんど見かけない。年始のCESでAT&Tと提携発表が計画されていたが直前にキャンセル、インフラだけでなく、デバイス側も米国市場では歓迎されていないという状況だ。Verizonのキャリアショップでは、店員すら知らないことがあった。

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