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車とスマホがつながるSDLの世界 第6回

AndroidとiOS、ゼロからの立上げ方

SDL対応アプリ開発環境の構築その2~アプリ開発環境を整える

2019年01月11日 18時00分更新

文● 柴田文彦 編集●アスキー編集部

提供: トヨタ自動車株式会社

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2. サンプルプロジェクトを入手する

 Android版のSDL対応アプリのサンプルプロジェクトは、GitHubでオープンソースとして公開されている(https://github.com/smartdevicelink/sdl_android)(図3)。

図3:Android用のSDL対応のHello, World的なサンプルプロジェクトは、GitHubで公開されている。アプリと車載機エミュレーターの接続と通信が確認できるシンプルなものだ

 このサンプルプロジェクトに関する解説は、GitHubにはほとんどない。また、上記SDLの公式ページには、このサンプルプロジェクトを動かす方法が簡単なメモ程度のものとして記されているだけで、中身の解説はない。一般のAndroidアプリをSDL対応にするために追加が必要なコードの断片は、SDL公式サイトのAndroidアプリ開発者向けのページに簡単に解説されている。今回は、その中身には踏み込まない。

 実際にサンプルプロジェクトを入手するには、gitコマンドが使える環境なら、ターミナルに以下のようなコマンドをタイプすればいい。

$ git clone https://github.com/smartdevicelink/sdl_android.git

 gitが使えない場合には、プロジェクト全体をZipファイルとしてダウンロードすることになる。

 

 クローン機能で入手した場合には、「sdl_android」、Zipを解凍した場合には、「sdl_android-master」というディレクトリが作成される(図4)。

 

図4:GitHubから入手したsdl_androidのZipファイルには、Androidアプリのサンプルプロジェクト一式が含まれている

3. プロジェクトを開く

 Android Studioが準備できて、サンプルプロジェクトが入手できたら、さっそくそれを開いてみよう。Android Studioから「sdl_android」または「sdl_android-master」のフォルダーをプロジェクトとして開けばいい。使用しているAndroid Studioの状態にもよるが、プロジェクトを開いた直後に「Android Gradle Plugin Update Recommended」というダイアログが開くこともあるだろう(図5)。

 

図5:Sdl Androidのプロジェクトを開く際に、Gradleのプラグインをアップデートするように促されたら、素直にアップデートしておく

 これは、必須というわけでもないが、とりあえずアップデートしておくといいだろう。

 

 以上で、Androidアプリとしてのビルドの準備は完了する(図6)。

 

図6:Git Hubからダウンロードしたプロジェクトを開けば、ビルドの準備はとりあえず完了する

4. Build Valiantsの選択

 こうして開いたプロジェクトには、このプロジェクト固有の設定を変更すべき点が1つある。それは、Androidアプリと組み合わせて使用する車載機、あるいは車載機エミュレーターとの接続方法に合わせて、ビルドのバリエーションを選択することだ。

 このプロジェクトには、何通りかの「Build Variants」があらかじめ組み込まれている。これはアプリのビルドの前に選択することで、アプリの動作環境などを設定するために設けられたAndroid Studioならではの機能を利用するものだ。これを選択するには、まず「Build」メニューから「Select Build Variant...」を選ぶ(図7)。

図7:プロジェクトに用意されたビルドのバリエーションの中から適切な1つを選択するために、「Build」メニューから「Select Build Variant...」を選ぶ

 すると、プロジェクトウィンドウの1つのペーンとして「Build Variants」が表示される。このペーンでは、ビルドするモジュールごとにBuild Variantが選択できるようになっている。この場合、車載機エミュレーターとはTCP/IPで接続することになるので、「hello_sdl_android」モジュールの「Build Variant」欄のポップアップメニューから「tcpDebug」を選択する(図8)。

図8:「Build Variants」ペーンで、「hello_sdl_android」モジュール用に「tcpDebug」を選択すれば、接続にTCP/IPを利用したデバッグ用のビルドを選ぶことができる

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