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バージン、宇宙空間に達する試験飛行を初実施へ

2018年12月13日 15時51分更新

文● Charlotte Jee

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バージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)は12月13日、同社初となる宇宙空間に到達する試験飛行を実施する

今回の試験飛行は、VSSユニティ(VSS Unity)と呼ばれる、バージン・ギャラクティックの準軌道(軌道に乗らない)宇宙船「スペースシップ・ツー(SpaceShipTwo)」の4回目の動力飛行試験であり、2018年7月以来の飛行となる。すべてが計画通りに進めば、搭乗パイロット2人は、無重力感や「目を見張るような景色」を体験することになるという。

バージン・ギャラクティックによると、今回の飛行は、以前の飛行よりも高く、より速くを飛ぶことが目標。これまでの最高飛行高度である52キロメートルを大幅に上回る高度を飛行し、ロケットエンジンの燃焼時間の記録更新(過去最長は1分間)を目指す。

今回の目標が達成できれば、バージン・ギャラクティックは重要なデータ、とりわけ、超音速時の操縦性や熱力学に関するデータを収集できるはずだ。また、今回の飛行では、準軌道飛行で輸送予定の乗客の重量をシミュレーションするために、前回よりも重い荷物を積載する。

試験飛行に漕ぎつけるまで、多大なる失敗を克服することはもちろん、細心の計画と設計、エンジニアリング作業に長い年月が費やされてきた。VSSユニティの旧バージョン「VSSエンタープライズ(VSS Enterprise)」は、2014年10月に墜落して死者を出し、大破した。バージン・ギャラクティックはまた、イーロン・マスク率いるスペースX(SpaceX)やジェフ・ベゾス率いるブルーオリジン(Blue Origin)などと、富裕層向け宇宙観光飛行の提供をめぐって競い合っている。

バージン・ギャラクティックは何年間にも渡り、大げさな約束をしては期待を裏切った経歴がある。創業者のリチャード・ブランソンは以前、準軌道飛行を2009年に実施すると約束していた。そのため、今回の試験飛行についても、ある程度懐疑的な見方をする人がいてもおかしくない。いま私たちにできるのは、12月13日に何が起こるかを見守ることだけだ。

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