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打ち上げから40年以上、ボイジャー2号が太陽圏を離脱

2018年12月12日 11時02分更新

文● Erin Winick

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米航空宇宙局(NASA)は、無人宇宙探査機「ボイジャー2号」が太陽圏を11月5日に離脱したと発表した。2012年のボイジャー1号に次いで、ボイジャー2号は星間空間まで到達した2番目の人工物となった。

ボイジャー2号は、1977年、つまり40年以上前に打ち上げられて以来、約177億キロメートルを旅して、ついに星間空間へと突入した。ボイジャー2号はボイジャー1号より先に打ち上げられたが、飛行経路の違いにより1号より遅れた到達となった。

もっとも、ボイジャー2号は太陽系を離れたわけではない。我々の太陽系は広大で、もっとも端に位置する惑星よりもさらに先まで広がっている。NASAの今回のニュースが意味するのは、ボイジャー2号が太陽の磁場と粒子のポケットである太陽圏から離脱したということだ。太陽から放出されるプラズマの荷電粒子である太陽風が、水中の泡のような太陽圏を形成している。

NASAは12月10日、11月5日に探査機周りの太陽風速度が急激に低下したことを研究者が観測したと発表した。今では太陽風は全く観測されておらず、探査機が星間空間に入ったことが確認された。

ボイジャー2号が今後、太陽系最遠の星をはるかに越え、太陽を取り囲んでいると考えられている氷のリングである「オールトの雲」を通過し、太陽系を離脱するには約3万年かかると推定されている。残念なことに、太陽系を離脱したボイジャー2号がデータを送ってくることはないだろう。現時点で、科学者が探査機からデータを受信するのに約16.5時間かかっており、あと5年から10年で通信が途切れると考えられている。それまでは、探査機の周囲の環境の状況についての新しい情報を送り届けてくれることだろう。

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