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グーグルのスマートシティ計画に暗雲、プライバシー保護に懸念

2018年10月26日 05時55分更新

文● Elizabeth Woyke

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アルファベット子会社のサイドウォーク・ラボ(Sidewalk Labs)は、野心的なスマートシティ・プロジェクトに関するプライバシー問題の監督を担う専門家を採用していた。だが、専門家はプロジェクトで提案されたデータ収集方法を理由に辞職してしまった。

サイドウォーク・ラボ は、カナダ・トロントのウォーターフロントに、キーサイド(Quayside)と呼ぶ未来的な地区を建設しようとしている。2015年に都市問題を緩和するテクノロジーを開発するために設立されたグーグルの姉妹会社、サイドウォーク・ラボにとって初の大仕事だ。

だが、プロジェクトは数々の障害にぶつかり続けてきた。今年8月には地元の反対に直面し、最終的な開発計画の発表が遅れた。そして今度はプライバシーに関する懸念から、オンタリオ州の元プライバシー委員であるアン・カブキアンはプロジェクトから離脱せざるを得なくなった。カブキアン元委員は辞職の理由として、キーサイドの住人に関する個人の特定が可能な情報を、サイドウォーク・ラボが第三者である企業や開発者がアクセスできるようにしようと計画していることを挙げた。 また、この数週間で、もう1人の顧問もプライバシー上の懸念を理由にプロジェクトから離脱している。

サイドウォーク・ラボは、キーサイド向けに開発したテクノロジーを他の都市にも販売するつもりだ。つまり、このようなプライバシー慣行は世界中の人々に影響を及ぼす可能性があるということだ。また、今回の論争は、大手テック企業がユーザー・データを保護するために十分な措置を取っているかどうかという、現在継続中の議論をさらに加速させるものだ。

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