アトマイザーのパワーに応じた容器を
次は、霧を満たす容器が必要だ。パワーに対して容量が大きすぎたり、深すぎたりすると根に霧が届かない。逆に低すぎても、伸びた根がすぐ液面に達してしまう。あれこれ試した結果、トンボ シールウェアの「RF-1」という容器がちょうど良かった。アトマイザーが1台だけなので、円筒形なのもポイント。動作させると、こんな感じになる。
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アトマイザーと液面の高さによって噴霧量も違ってくるが、もっとも効率よく噴霧するのは、液面が6~7cm程度のときのようだ。その状態なら、この容器の縁からちょっと溢れる程度の霧が発生する。
Image from Amazon.co.jp |
トンボ シールウェア 抗菌加工 RF-1 |
人工土を培地とする
栽培槽を作るための工作は、このプラ容器に穴をあけることだけ。その前に、なにを育てるのか、種を蒔く培地をなににするかを決めておかなければならないが、これはミニチンゲンサイと人口土に決めていた。
ミニチンゲンサイは、夏の研究で育てた経験があるので、栽培法の違いで育ち方がどう違うかを比べられる。培地については、簡単に済ませるならスポンジがいい。容器のフタに適当な大きさの穴をあけ、適当な大きさにカットしたスポンジをはめ込むだけで済む。
ただ、スポンジはミニチンゲンサイに対して、ちょっと硬い印象があった。なので、パーライトやハイドロボールのような人口土を培地として試してみたかった。パーライトはガラス質の岩石、ハイドロボールは粒状の粘土を高温処理して発泡させたもので、どちらもそれ自体に保水力がある。
そうした粒状の培地を入れるために水耕栽培用のポットを買った。プラスチックでできたカゴのようなもの。Amazonで20個1070円。培地としてスポンジもついているが、今回これは使わない。
このポットの底には大きな穴が空いているので、ここから培地がこぼれ落ちないように、薄いスポンジを置いておいた。
穴を開けるだけの工作
ここからやっと自作っぽい工作の時間。まず容器の側面にアトマイザーのコードを通す穴をあける。穴の位置は液面よりちょっと高い、下から8cmくらいのところに開けた。穴の径は、コードに付いている防水ブッシュを差し込むので、これがしっかりハマる程度にしたい。ブッシュの径は15mm程度。小さめの穴を開けておいて、リーマーで徐々に広げて現物合わせとした。
次に、容器のフタにポット用の穴を開ける。フタの直径は25.5cm。ミニチンゲンサイは株間10cm程度あればなんとか育つので、メジャーで測りながら4つの穴を適当に開けた。穴あけには32mmのスパイラルステップドリルを使ったが、相手が柔かい樹脂なので、あまりきれいにできなかった。そこは気にしない。
しかし32mmはポットの外径より小さかった。それより大きな穴が開けられるビットもリーマーもなかったので、ポットを途中まで押し込む形に。これが後に意外な効果を産むことになるのだ。