さくらの熱量チャレンジ 第27回
ユーザー体験を向上する画像変換サービス、開発元と導入企業の4氏にそれぞれの思いを聞く
ピクシブ×さくらの「ImageFlux」はどのようにして生まれ、メルカリやBASEはなぜ採用したのか
2018年11月06日 08時00分更新
バッチによる静的な画像変換が限界、ImageFlux採用でサービス改善したBASE
BASEは、誰でも簡単にネットショップを開設できるサービスだ。PCブラウザからショップオーナーが出品したオリジナルの商品群は、モバイルアプリを通じてユーザーが購入できる。ネットショップの開設や維持(初期費用や月額利用料)は無料で、商品が売れた際にのみサービス利用料や決済手数料を支払う、フリーミアムモデルのサービスである。
現在では60万店舗以上のネットショップがBASE上に開設されており、1店舗あたりの商品数は無制限なので、商品画像だけでも膨大な数に上る。加えて、各ネットショップのデザイン要素であるロゴ画像やイメージ画像なども大量に存在する。こうした画像を、商品を購入する400万以上のアプリユーザーに対していかにストレスなく配信できるかが、ビジネスの鍵を握る。
BASEでは、ネットショップにアクセスする端末の画面サイズなどに応じて、最適なサイズのサムネイル画像を配信する仕組みをとっている。ただしImageFluxの採用前は、これを静的なかたちで行っていた。ショップオーナーが新規画像を登録(アップロード)した時点で、サムネイル生成処理のバッチを回し、サイズの異なる複数のサムネイル画像を用意しておくという手法だ。
だがこの手法では、新しいサイズのサムネイル画像が必要になったときに、過去に保存されたすべての画像に対して再びバッチ処理を実行しなければならない。店舗数も掲載商品数も増え続けるなかで、これが大きな負荷となっていた。
「たとえば大画面のスマートフォンが発売されたら、これまでよりも大きなサイズのサムネイル画像が必要になります。他方でアプリのUIデザインもどんどん変更されますから、そのたびにバッチを回さなければなりませんでした。その負荷がどんどん大きくなり、サムネイル生成処理に失敗して、ショップオーナーさんから『商品画像が表示されない』とクレームをいただくこともしばしばでした」(竜口氏)
BASEでは、柔軟さに欠ける静的なサムネイル画像生成をやめ、動的な画像変換の仕組みを自社で開発/運用する検討を始めた。そのタイミングで、BASEはImageFluxの存在を知る。自社で運用するよりも効率が良いと判断して、ImageFluxを採用した。すでに1年半ほど利用しているが、安定して画像が配信できていると竜口氏は語る。
「現在ではモバイルアプリ、WebサイトともImageFluxを利用しています。導入にあたっても、URLパラメータで画像サイズや画質などを指定するだけですから、特に難しさは感じませんでした。昔の方が時間がかかっていた気がします。ImageFluxは安定動作しており、画像が表示されないというクレームもなくなりました」(竜口氏)
ImageFluxの課金体系も、BASEにとっては魅力的だという。前述したとおり、BASEではネットショップの開設や商品の出品には課金をしていない。そのため、仮に画像変換サービスがアップロードした画像点数に応じて課金される仕組みならば、その商品が売れるかどうかにかかわらずBASEがコストを負担しなければならない。ImageFluxの場合は、アウトバウンドトラフィック(画像のダウンロード容量)に基づく従量課金制になっているので、そうした心配がない。
さくらの秋元氏は、ImageFluxのサービス仕様を検討するうえで、課金体系についても十分に議論し、ユーザーにとってわかりやすく、検討しやすいものになるよう心がけたと話す。
「当初はオリジン画像単位で課金するというアイデアもありましたが、お客様がイメージしやすく、またコントロール可能なものになるよう、アウトバウンドのトラフィック量に応じた従量課金制としました」(秋元氏)
BASEにおけるImageFluxの採用経緯や導入効果は、下記記事で詳しく紹介されている。

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