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「データを取り戻す」バーナーズ=リーが次世代Web構想を発表

2018年10月02日 13時09分更新

文● Charlotte Jee

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ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の考案者、ティム・バーナーズ=リーが、パーソナル・データの自己管理を容易にするための新しい方法を発表した。計画は軌道に乗るだろうか?

発表されたのは、「ソリッド(Solid)」と呼ばれるプロジェクト。パーソナル・データの管理能力をユーザー自身の手に取り戻すためのオープンソース・プロジェクトである。バーナーズ=リーは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームとともに、スタートアップ企業インラプト(Inrupt)を創業。ソリッドの開発にあたっている。

非中央集権とユーザー自身による管理が基本的なコンセプトだ。ソリッドを使うと、開発者はユーザーが完全所有するデータで作動する非中央集権型のアプリを開発できるようになる。データの保存場所や共有する相手は、ユーザー自身が決定する。ソリッドでは現在、第一弾となる複数のアプリが開発されている。「この次世代のWebを、私はとても楽観的に捉えています」。ミディアム(Medium)への投稿で、バーナーズ=リーはこう述べている。

計画はかなり野心的だ。成否は、筋金入りのテックオタク以外にも十分な数のユーザーを獲得できるかどうかにかかっている。とはいえ、フェイスブックのデータ漏洩が明らかになった今週はタイミングとしてちょうどいい。さらに、バーナーズ=リーが考案したという事実も、プラスに働くことだろう。

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