iPhone XS&iPhone XR、ASCII徹底大特集! 第56回
カメラにこだわるならiPhone XRを待つべきではない:
iPhone XSを選ぶ最大の理由
2018年09月18日 19時00分更新
カメラ進化はここ数年で最大規模に
iPhone Xとは細かな違いしか見られない5.8インチのiPhone XSですが、近年で最大の進化を遂げていたのがカメラです。ここまでご紹介してきたiPhone XSの写真は、同じカメラシステムを共有するiPhone XS Maxで撮影しました。
iPhone XSのカメラは広角カメラが大型化され、2倍の読み出しスピードを備えました。大型化は暗所撮影の強化につながりますが、読み出しスピードの向上は、シャッター間のタイムラグをなくし、またより素早く画像処理エンジンにデータを渡して、機械学習処理に十分な時間を与えることができます。
iPhone XSのカメラ機能には、スマートHDR、深度編集に対応した新しいポートレートモード、拡張ダイナミックレンジに対応したビデオ撮影、映画品質の手ぶれ補正といった4つの機能が追加されています。
実際に撮影すると、撮った瞬間から違いが実感でき、驚きがありました。
逆光で木漏れ日のある街の風景は、暗所の露出を無闇に持ち上げた不自然さがなく、明暗双方の色やディテールが再現されています。夕日の背景であっても、手前の植物の色やトゲが確認できるようになりました。
また撮影した後から、絞りのリングを回したように、背景のぼけ具合を調節することができる機能は、単焦点レンズを好んで使っている筆者にとっては非常に楽しいものでしたし、ビデオでのダイナミックレンジの拡大はまるでライトでも用意したかのような仕上がりになります。
絞りリングでの調整と異なるのは、変化するのは背景のぼけ具合だけで、写真全体の明るさや被写体のフォーカス、ブレなどを気にする必要がない点です。
写真は絞りを開放すればより明るくなり、速いシャッタースピードで撮影でき、また背景はよくぼけます。その代わり、鼻先にピントを合わせると目がボケる、といった難しさも生じます。逆に絞ると、得られる像は暗くなり、より遅いシャッタースピードが求められ、背景のぼけは弱くなります。絞りの操作にはそうした写真全体の変化があります。
しかしiPhone XSの深度調節は、被写体全体に合っているフォーカスや明るさ、ブレ具合などは変化せず、背景のぼけ具合のみが調節できます。被写体と背景が分離されており、背景部分に数値モデル化されたボケを適用しているためです。
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