では、実際に動画エンコードなどのクリエイティブ用途に、このマルチコア性能はどこまで活かせるのか、ベンチマークソフトの「x264 FHD Benchmark」を使って計測してみました。このベンチマークソフトは、あまり聞き馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、動画(フルHD、174MB、mkvフォーマット)をH.264にエンコードしてFPS値とエンコードタイムを計測します。
このベンチマークソフトでは、いずれもRyzenの方が速くエンコードできるという結果になりました。未だ主流のH.264動画作成では、マルチコア性能の高い方が有利というのがわかります。
コスパも考えるならば、Ryzen 5 2600が非常に優秀。価格が約1.9倍にもなるCore i7-8700にもわずかながら勝っているので、用途によってはRyzen 5 2600はかなりオススメできます。
Ryzenがわずかに勝利!コスパ的にやはりRyzen 5 2600が◎
Ryzenはマルチコア性能を活かした動画編集や写真編集などのクリエイティブ用途に強いというのは、第1世代から変わらないので、ここまではある程度予想どおり。では、第1世代では一部のゲームでライバルに後塵を拝したゲーム性能はどうか気になったので、まずは定番の3DMarkで検証を行ないました。
いずれのベンチもRyzenがインテルCPUに勝るという結果になりました。第1世代のRyzenでは、シングルコア性能が低く、ゲーム系ベンチではインテルCPUに劣るという傾向にありましたが、第2世代Ryzenではシングルコア性能を改善し、対抗のCPUにわずかながら勝るという形になったのでしょう。
特筆すべきはAMD、インテルどちらのCPUも、1万円以上安価な下のモデルに圧倒的な差をつけてはいないので、コスパを考えるならば、価格はもっとも安いがCore i5-8500に勝るスコアーを示したRyzen 5 2600がベストということになります。
では、実ゲームベンチとして定番である「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」(以下、FFXIV)と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」(以下、FFXV)のベンチマークソフトではどういった結果になるのでしょう。
・FFXVベンチマーク:高品質 1920×1080、高品質 2560×1440
・FFXIVベンチマーク:高品質 1920×1080
結果は以下の通りです。
どの結果も微差ながら、FF14以外の測定結果以外はRyzen CPUに軍配が上がるという、意外な結果になりました。
いかがでしたでしょうか。第1世代のRyzenは、シングルコアの性能がやや低く、マルチコアを活かす動画や写真編集では優秀なものの、一部のゲームではインテルCPUに若干劣るという印象でしたが、その結果を払拭。XFR2 Enhancedなど、わずかでも自動でCPU性能を上げてくれる機能をフル活用したい場合は、X付きを選ぶ必要はありますが、Xなしのモデルでも高い性能を有し、お買い得です。
マルチコアを活かす作業も第1世代と変わらず優秀なので、ゲームをプレイしながら実況配信も行なう、動画を見ながらMMORPGをお使いミッションをプレイする、好きなBGMをかけながらMOBAを遊ぶといった、「多岐にわたる作業を一度に行なう」のであれば、第2世代Ryzenは魅力的です。
そんな第2世代Ryzenの性能は、メモリのクロック率にも依存します。そのため、PCを自作する際は、前述の最大メモリ速度を参考に、高クロックメモリを使用することをオススメします。
そろそろ気温も落ち着いてくる頃合い。中秋の名月を見ながらのPCライフに新PCをと考えていらっしゃる方は、是非「無印」Ryzen CPUでの自作に挑戦してみてはいかがでしょうか?